カテゴリ:生活指導
スクールカウンセラー便り
みなさんこんにちは。スクールカウンセラーの橋本です。いよいよ2学期が始まりました。最近は朝晩の気温が下がり、少しずつ日が暮れるのも早くなってきました。体調を崩しやすい時期でもありますので、夜にしっかり睡眠をとることを心がけて日々の活動につなげていきましょう。引き続きみなさんの学校生活を陰ながらサポートさせていただきたいと思っていますのでよろしくお願い致します。
カウンセリングではどんなことをするのか?
カウンセリングでは、困っていることや気がかりなことだけでなく、今以上に良くしたいと思っていることなどについても話題にしています。現状を変えるためには、相談に来た人が、今までと違った行動をとることが肝心です。現実的に実行可能で負担の少ないことから変えてみるのがいいと思います。具体的に話を聞いていると、困りごとの中でもうまくやっている部分が必ず見つかります。そこを出発点にして、変えていきたい部分にアプローチしていきます。
友人のこと、家族のこと、勉強のこと、部活のこと、先生のこと、異性のこと、性について、自分の性格について、不安について、進路についてなど。自分ではささいなことだと思うことでもいいです。お話をすることでみなさんがホッとできる時間を作っていきたいです。
【保護者のみなさま】
スクールカウンセラーは生徒だけではなく、保護者の方からもご相談を受け付けています。お子様について心配事があれば、学校での様子をふまえて対応の仕方を考えていきたいと思っています。進路のことに関わらず、例えば、子どもとどのように接したらよいか、ゲーム・ネットとの付き合い方、その他、些細に思える事でも、お気軽に相談していただければと思っています。
相談日について
毎週 火曜日 13:00~17:00
金曜日 13:00~16:00 に学校へ来ています。
窓口は学年主任、担任、教育相談の佐藤先生、養護教諭の松田先生です。基本的に予約制となっていますが、可能な範囲でご希望にそえるよう努めたいと考えています。
少しでも気がかりなことがあれば遠慮なくご相談ください。お待ちしております。
事例シリーズ① 苦手なことに挑戦するとき
認知行動療法の1つにSST(Social Skills Training)という支援方法があります。ソーシャルスキルとは、「良好な人間関係をつくり、保つための知識と具体的な技術やコツ」のことです。SSTでは、日常生活の具体的な困りごとを、実際の場面を想定し役割を決めて演じることで、克服の練習をします。
以前面談していたAさんが「外食に出かける練習をしたい」と言ってきたことがありました。よくよく話を伺うと、人前で食事をするのが苦手で、どうしても外食を避けてしまうというのです。人前で何かをすることに強い不安を感じて避けてしまうというのは決してめずらしい症状ではありません。
どんな場所に行って食事をしてみたいかと聞くと「回転寿司に行ってみたい。」と言いました。SSTは、何人かのグループで実施します。その時は板前さん役、他の客の役、練習したい人が自分の役割になり、実際お店で起こりそうな場面を決めて練習をしました。1回目の練習では、他の客の役の人が先に注文してしまい、なかなか声をかけるタイミングが見つけられず、じっと固まっているAさん。だんだんと時間だけが過ぎていきます。しばらくして勇気を振り絞ったAさんは「いくら1皿ください」と声をしぼり出しました。板前さん役の人が返事をして握るマネをして目の前にお寿司を置く演技をしてくれました。これが1回目の練習です。他のメンバーからよかったところをフィードバックされたAさんは、「さらに10皿注文したい」と言ったのです。2回目の練習は10皿注文するまで続けました。10皿目を頼んだ後は一緒に練習していたメンバーから拍手が起きました。こういう体験を積み重ねるだけで、Aさんは自分が行きたいお店に出かけて食事ができるようになったのです。
みなさんは、初めて九九を覚えるとき、どのようにやったでしょうか?何度も見たり声に出して練習した経験があるのではないでしょうか。初めて自転車に乗れたとき、乗るためにどのようなことをしましたか?最初は乗れることを想像できたでしょうか?何度も乗り回して、転んでもまた乗ってを繰り返して乗れるようになったのではないでしょうか。
こんな風に何かを成し遂げたいと思ったとき、練習が必要になります。友人の誘い方、目上の人への挨拶の仕方、何かを断る、人前でスピーチをする、電車に乗るなど、やったことはあるけど苦手だなあということはありませんか。こういうときも練習しましょう。何もしないとなかなか現状を変えにくいですが、練習すると必ずできることがあります。
カウンセリングではこんなことについても一緒に話し合います。
お気軽に相談ください。 スクールカウンセラー
スキンシップの持つ癒しの効果について
私がある総合病院で看護師として働いていた頃の話です。60代の女性ががんで入院していました。副作用のつらい治療を行っていましたが、明るい人で医者や私のような看護師にいつもいつも笑顔を見せてくれるような人でした。しかし、その女性のがんは進行が早いもので、治療の甲斐もなく日に日に身体が弱り、痛みが増しているようでした。それでも気丈に振る舞っていた彼女が、ある夜ナースコールを押して、私が呼び出されました。お願いがあるという彼女は、「背中をさすってほしい」というのです。私はベッドの隣に座って彼女が望むとおりに背中をさすりました。痛み止めをすすめても、それはいらないと言い、ただ背中をさすっていてほしいと言います。そんな日が何日か経ち、ある日彼女は息をひきとりました。背中をさすっている時の彼女の和らいだ表情を今も思い出すことがあります。
1974年、生理心理学者のジェームズ・リンチ博士らは心臓病の患者の腕に触れて脈をとると、即座に心拍が下がり、そのリズムも安定することを発見しました。この効果は、外傷を負って意識を失った患者にもみられました。このことから皮膚への刺激がリラックス効果をもたらすことが示唆されています。
終末医療の現場では、患者は目の前に迫った死と直面しています。不安におびえ、恐怖心と闘っています。そんな時に最も意味のあるコミュニケーションは、ただそばにいて身体に触れることであったりします。ただ手を握ったり、背中をさすったりするだけで不安な人を安心させ、落ち込んでいる人を元気づけてくれるものです。
昨今はコロナウイルス感染症でソーシャルディスタンスが予防として重要であることが呼びかけられており「触れる」ことが難しくなっています。しかし、本来は人間にとってスキンシップは大事なものなのだと感じています。思春期は親から自立していく時期なのでべたべた触れると嫌がられるかもしれませんが、たまに「次はがんばれよ!」と言って肩をポンっと叩く、「よかったね!」と言って握手をするなどはいかがでしょうか。
スクールカウンセラー
引用文献:山口 創,子供の「脳」は肌にある,光文社新書,2004
スマホ依存に注意(県民安全課より)
県民安全課より、「青少年のネット非行・被害対策情報」として、保護者向けのお知らせが届いています。
ブログメニューの「学校からのおたより」→「生活指導だより」の中にある「1.スマホ依存に注意」というPDFファイルです。
スマホによる具体的な被害について書かれていますので、ぜひご一読ください。
睡眠は脳と心の栄養!!
新年度がスタートして1か月が経ちました。掃除の様子を見ていると、1年生もしっかりと黙働清掃に取り組めていて、こまやかな所まで掃除ができている姿に驚かされます。2年生は体育館で学年集会の時に自己紹介をさせてもらいました。どこを見てもみなさんとしっかり目が合って話を聞いてくれていたのがうれしかったです。3年生はいつ見ても自転車がきちんと並べてあると感じています。そういったささやかな心配りに私は元気をもらっています。
さて、今日は睡眠についてお話をしようと思います。私はクリニックでも仕事をしていますが、心療内科に来られる多くの患者さんは睡眠に何かしらの課題を抱えています。気がかりなことや上手くいかないことがある時は、睡眠に影響が出ることが多いです。逆にいえば、意識して寝ることを心がけ、睡眠がしっかりとれていれば、精神活動の芯の部分は健康でいられるとも言えます。睡眠は、精神健康を維持する基礎です。もう少しでゴールデンウィークに入ります。休みが明けても元気に過ごすために、規則正しい生活を心がけましょう。
<快眠のための過ごし方>
朝
・決まった時間に起床
・休日と平日の起床時刻の差は2時間以内に
・太陽の光をあびる(からだのリズムが調整されます)
・規則正しい食事
昼
・眠気があるときは昼寝を(午後1~3時の間で30分以内)
・15時以降はしっかり起き続ける
夕
・夕食は寝る時間の3時間前にはとっておくのが理想。
(塾などで難しい場合は前後で分けて食べるのもよい。)
・寝る1時間前はパソコンやスマホ等の使用をしない
少しでも気がかりなことがあれば遠慮なくご相談ください。お待ちしております。
スクールカウンセラー