2021年4月の記事一覧
新設「思考力テスト」について
今年度から、大東中学校では「思考力テスト」と呼ばれる新しいテストが始まります。これからの時代に必要な力を測る目的で実施するテストです。
思考力テストを始める背景
本年度から新しい学習指導要領が全面実施され、全教科の教科書も一新されました。その指導要領では、これから時代を生きる人に必要な「資質・能力」を身につけることを目的としています。「資質・能力」とは3つの力で構成されています。
①実際の社会や生活で生きて働く「知識及び技能」 ②未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」 ③学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」 |
これらの3つの力をつけるためには、ただ単にたくさんの知識を覚えていくだけでは十分ではありません。インターネットが当たり前になった現代ではむしろ、知識をもっていることそのものよりも、その知識を問題解決のためにどう使うかが重要になってきます。学校の授業でも、これまで以上に、課題を発見し、解決する方法を考え、文献を調べ、友達と協働して活動し、解決を目指していくような学習活動が求められてきます。
思考力テストは、そのような授業で培った力を試すためのテストです。
思考力テストに出題される問題の具体例
石川一郎氏の著書から、一例をお示しします。*大学入試問題の例なので難易度は高い問題です。
もしあなたが、フランシスコザビエルのように、知らない土地へ行ってその土地の人々に何かを伝えようとする場合、あなたはどのようなことをしますか。600字以内で書きなさい。 |
このような問題は、答えを覚えていても解けませんし、答えは1つとは限りません。だからといってなんでもよいというわけではないありません。キリスト教が伝来した時代の背景をよく理解し、新しい宗教が広まった要因をしっかりと捉え、では自分だったらどうするかを考え、それを表現しなければなりません。これが、未知の状況にも対応できう思考力・判断力・表現力です。まさに、実際の社会で、大人が答えの見えない課題に立ち向かう場面と同じことが求められます。
このような問題を解く力は、一朝一夕で身につくわけではありません。日々の授業で、先生の話を聞いて理解することはもちろんですが、その上で自分の考えをもち、友達とその考えを共有し、自分なりの答えを見つけていくことを大事にしてほしいと思います。
第1回思考力テストについて
期間:5月31日(月)~6月4日(金)の1限目に1教科ずつ
時間:50分
形式:選択式、記述式(教科によって持ち込みが可能なものがあります。*辞書、ノートなど)
評価:A、B、Cで評価します。