2021年12月の記事一覧
図書室より
おすすめの本
皆さん こんにちは。学校司書の吉田です。今日は全校道徳週間(12/13~12/17)にちなんで、本を一冊ご紹介します。
【「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ作/新潮社】
2019年のノンフィクション本大賞受賞作。イギリスの元底辺中学校に通う息子さんの日常を、母のブレイディみかこさんが描いた作品です。日本にいると、人種・文化の違いや、それらが共生することの難しさについて、中学生が日常の中で、こんなに真剣に考えることは少ないかもしれません。けれど息子さんの毎日には、いろんな線引きや摩擦が生活に直結して横たわっています。この作品を読むと、まずそのことに驚かされます。
すごいなと思うのは、この息子さんの考え方。彼はいつも「人として、どうあるべきか」という視点で物事をとらえているように感じます。人種、文化、歴史など、いろんなものが異なっていても、「同じ人間であること」は、誰にも共通で、共有できる事実です。そういう視点で行動して、しなやかに差別の壁を乗り越えていく中学生たち。また、彼を支える母・みかこさんの姿や、生徒を応援する中学校の先生方も印象的でした。読み終えると、さわやかな気持ちになれる一冊です。
☆図書室に、「人権に関する本を集めたコーナー」を作りました。読書を通して、人権を考えるきっかけにしていただけると、幸いです。