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人にめぐりあう幸せ

あれは、二年生が入学する前。ソフトボールをさせたいという親から相談があった。

その時は、二年生は十人以上いたけれど、一年生はひとりだったので、新入部員が入らなかったら、廃部にするか合同チームにするかしかなかった。隣の学校の校長先生にも電話をかけた。幸い部員がたくさん入ったので、合同チームの話はなくなり、二年生がひとり、残りは一年生ばかりのチームになった。

最初は、負け続け。素人が多いのだからしかたがない。夏になって三年生が引退し、そのポジションには、経験豊富な一年生が入った。

真面目が信条の素人監督は、やせるほどノックバットを振り、戦術を勉強して生徒に応え、技術は超一流のコーチは指導力もピカイチで、何より生徒をのせるのがうまい。

経験者が少ない素人集団も場数を踏むにつれ、ボールを遠くまで投げられるようになり、打てば強い当たりが飛ぶようになった。とりわけ走塁がうまくなった。出塁すれば、相手の隙を見逃さず貪欲に次の塁を狙う。 点の取れる、見ていて楽しい試合になってきた。どの選手も大きな声で伸び伸びプレーしている。いい仲間が集まり、誠実な顧問と経験豊富な指導者がコンビを組んで生徒の背中を押す。人に巡り合い、人に恵まれるのが一番の幸せだ。ソフトボール部の生徒は試合が楽しくてしかたないと思う。

がんばれ、大東中学校!