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カテゴリ:教員コラム

大東中学校区全体研修会が行われました📝

大東中学校区全体研修会が行われました。

これは、校区の小学校と中学校の教員が一堂に会し、児童生徒の9年間の教育について学ぶことをねらいとしています。

今年度の中学校区教育のテーマは『学びとつながる、人とつながる、心がつながる学校づくり』です。

「授業づくり部会」と「心づくり・体づくり部会」の2つの部会にわかれて研修を重ねていきます。

1年間、子どもたちの発達段階に寄り添いながら、教育活動を進めてまいります。

 

教育実習が始まりました🧑‍🏫

本日より、福井大学から教育実習生が8名が、大東中学校で2週間の実習をします。

名古屋芸術大学からは、先週から3週間の実習で1名の実習生が参加しています。

全員、爽やかな希望に満ちた面持ちで実習に取り組もうとしています。

1時間目は、校長からのお話しがありました。真剣な表情で話を聞いています。

教職の大変さだけでなく、充実感や達成感など良さを感じ、ぜひ教職の道へ進んでほしいと思います。

 

 

 

 

もうそろそろです。

グランド脇の紫陽花の花がもう少しで、咲き誇りそうです。

昨日の雨で、花壇の草花はいきいきとしています。

梅雨の雨は鬱陶しいですが、紫陽花の花は好きです。

中庭のお花がきれいに咲いています🌺

地域の方がお世話をしてくださっているおかげで、今年も中庭の花がきれいに咲きました。

赤やピンクや黄色のバラをはじめ、たくさんの花が満開です。

水草のつぼみも大きくなりやがて開こうとしています。

今年は、イチゴも仲間入りしました🍓。

季節毎に色とりどりの花が咲き、それを眺めていると、私たちの心もきれいになっていくようです💖

 

花壇のお世話ありがとうございます🌺

生徒玄関、南校舎のグラウンド側、中庭の花壇には、地域の方がボランティアでお花を植えてくださっています。

南校舎側の花壇には、今、ユリ、スノーポール、チューリップなど(冬はスイセン・・・)が咲いています。

今日は、草取りをしてくださっていました。

暑い中、私たちのためにありがとうございます💞

 

『家庭・地域・学校協議会』が行われました。

『家庭・地域・学校協議会』が行われました。

この会は、保護者や地域の皆さんに学校運営に参画してもらい、子どもたちの豊かな成長と健やかな育ちを支えていただくことを目的としています。

まず、明日開催される『立志式』のリハーサルの様子を参観していただきました。

力強く迫力のある合唱に感激され、練習でありながら拍手が湧き上がっていました。

次に、1年間の学校の取組、生徒の様子について情報交換しました。

今年は、4年ぶりに各地区で体育祭、文化祭、ふれあい祭り等が開催され中学生も参加しました。

会では、「来年も、地域を元気にするために、中学生の皆さんにぜひ参加してもらいたい。」という御意見をいただきました。

雪の中の登校風景 ☃️

今日は、雪の影響で登校時間を1時間遅くしました。

校区が広域であり、生徒の徒歩通学や安全面に考慮して、このようにしました。

初めは寒かったのですが🌨️、お日様も出てきて🌞 爽やかな朝の登校風景になりました。

大活躍!!「全校都道府県対抗駅伝」🏅

第42回全国都道府県対抗女子駅伝が、14日に京都市のたけびしスタジアム京都を発着点とする42.195kmのコースで行われました。

本校から、2年生の寺田小雪さんが、福井県代表として出場しました。

寺田さんは、8区3kmを10分59秒の記録で快走しました。

福井県も、昨年を上回る35位という輝かしい成績を収めました。

走り終わった後、

「全国の舞台に立てて、楽しかったです。来年も出場できるように、これから練習を頑張っていきたいです。」と話してくれました。

寺田さん、そして代表チームの皆さん、福井県を盛り上げてくれてありがとうございます!

これからの活躍を楽しみにしています!

 

ALTの先生からの贈り物🎁

あっという間に、今年も終わりに近づいてきました。

あと3日で、冬休みになり、クリスマス、大晦日、そして新年を迎えることになります。

本校の校舎内にも、冬の季節を感じる掲示物や装飾が見られるようになり、その一部を紹介します。

生徒玄関前に、ALTの先生が作ってくださったデコレーションがあります。

手造りの可愛らしいオーナメントをながめていると、幸せな気持ちになります😊

エミリー先生からのメッセージです。👩‍🏫

Winter is my favorite season, so I am glad to share Christmas joy with Daito Junior High School.

I hope everyone has a Merry Christmas and a Happy New Year! 🎄

 

 

校舎外壁工事の中間報告👷‍♂️

本校は、夏休みから、校舎の外壁改修工事と屋上の防水工事を行っています。

工事の期間は、今年度いっぱいの予定です。

校舎には、工事のための足場が設置され、飛散防止ネットがかけられています。

外から見ると中は暗いように感じますが、結構光が入り教室や廊下は明るいです。

現在は、体育館、北校舎、生徒玄関の作業が終わりに近づき、ネットが外されつつあります。

地域の皆様には、御迷惑をおかけしていますが、御協力よろしくお願いします。

間もなくリニューアルした大東中がお目見えすると思います。

新装した大東中学校を楽しみにお待ちください!

 

今日(10/31)は「Halloween」ハロウィン♪♪

 毎年、秋になると日本でも盛り上がりを見せているイベント「ハロウィン」夜

昔は、収穫物を集めて盛大に行うお祭りだったそうです。

現在は、世界各地で親しまれているイベントになりました。

本校でも、ALTの先生がパネルにデコレーションをし、生徒の皆さんのために廊下を楽しくにぎやかに飾ってくださいました。

 

 

令和3年度スタート

令和3年4月1日。青空からの優しい日差しとさわやかな風の下、新年度をスタートさせることができました。

まずはそのことに感謝したいと思います。そして、私達と共に大東の伝統や文化の継承・創造に力を注いでくださった、卒業生のみなさん、この3月にご勇退・ご栄転された先生方、保護者の皆様に感謝申し上げます。

今日から始まった新しい大東中学校の歴史。新しく加わった12名の先生方と力を合わせ、子どものために全力で教育活動に取り組んでいきます。保護者の皆様・地域の方々、ご支援・ご協力よろしくお願いいたします。

校長  水野克己

 

校長室で・・・!

昨日、帰りがけに

「プリントやったんで、見ておいてください。明日来ます」

「わかった。見とくわ」

そして、今日・・・

「マルつけたぞ。だいぶ、できるようになったな」

「・・・」(にっこりしている)

「この Q and A やけどな。When was gyogen started? の was gyogen started って問題文にないか?」

(しばらく探す)

「あった!」(思わず大声が出る!)

「その続きが答えや」

「なるほど」

「簡単やろ」

マンツーマンで勉強をみていると、その生徒に合わせて説明ができる。わかった実感は教える方にも伝わってくる。一対一だから、時間がかかるように見えるけれども、その生徒に合わせているからムダはない。もっと多くの生徒が質問するようになると、学年が盛り上がるし、成績も上がる。どんどん質問しよう!

がんばれ、3年生!

 

 

 

今日の大東中学校!

今日はとても暖かい日です。外のそうじをするにはとてもいい日でした。学校がきれいだと生徒も落ち着きます。

さて、三者懇談会が終了し、実力テストまであと3週間となりました。年が明ければ、推薦や特色選抜、スポーツ文化選抜の試験を皮切りに入試が始まります。毎日ブログを書きながら、この時期、どうやったら一番成績を上げることができるだろうか?と考え、3年生へのアドバイスを考えていました・・・

で、思いついたのは「一日3つ以上質問をする」または「友達の質問に一日3つ以上答える」でした。成績を上げるには質問をするのがいいということは、何度も話をしています。もうひとつの「友達の質問に3つ以上答える」というのを勧めるのは次の理由からです。人に説明するには自分がわかっていないといけません。説明するうちに自分の考えがまとまり、知識が定着します。また、最近の入試では記述問題が増えています。記述問題の対策こそ、人に教えるということです。質問1つ1点分の値打ちがあります。3つで3点。今日を含めて、テストまでに学校に来る日は15日。最低45点アップのチャンスが皆さんにはあります。どうです。やってみませんか?

コロナウイルス感染症が終息した後

全国一斉に学校が臨時休校になってから、7ヶ月が過ぎた。コロナウイルス感染症に対する知識は増え、以前ほどは怖い病気だとは思わなくなった。しかし、ひとたび感染者が報告されれば、当初の2週間からはずいぶん短縮されたものの、最低4日間は生徒を学校に呼ぶことはできない。未だ手探り状態でおそるおそる行事を行い、地域へ学習に出かけることもままならない。それはあたかも濃い霧の中を走る車の運転手に似ていて、目を凝らしてライトの照らす先を見つめ、ビクビクしながら運転する姿と重なる。しかし、コロナウイルス感染症が終息して、目の前を覆う濃い霧が晴れたなら、あたりの風景は一変しているにちがいない。

ユニクロの柳井正さんは「今後10年で起こる変化が1年で起こる」と話していた。このコロナ禍で、なかなか変われない学校も変わらざるを得ない。中学校では、働き方改革が最重要課題だ。本校もやれることからやってみた結果、毎日夜遅くまでついていた職員室の明かりは午後8時には消えるようになった。土日に学校で仕事をする教員は目に見えて少なくなった。働き方改革を左右するのは部活動だ。そこでも激論の末、地区の春季強化大会は令和4年度から開催されない。そして令和5年度に向けて、部活動の中心は学校から地域へと移行していく。

月の残業時間を80時間以内に収めようとすれば、平日遅くまで残って仕事をし、土日は部活動というようにはならない。これが月の残業時間が45時間以内となれば、5時過ぎに学校に電話をすると「本日の業務時間は終了しました」という声が流れてくるようになる。これはもう、どこでも当たり前のことだ。思えば、30代の前半は午後6時半に部活を終えたあと、出前をとってヨーロッパ軒のカツ丼を食べ、12時頃まで仕事をして家に帰り、翌朝7時には学校にいた。土日は午前6時に駅集合。練習試合をして午後6時に駅解散だった。あれから約25年。遅ればせながら学校もやっとまともになってきた。SDGs(持続可能な開発目標)は国連が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標だけれども、持続可能な働き方は学校にこそ求められるものだ。

 

いよいよ、花が開く!

初めてやってきたのは夏休みに入る頃だった。

「先生、英語教えてください」

すぐにこれまでのテストの結果を調べて、英語ができるようになるまでの手順を考えた。

「じゃ、まずこの単語を覚えろ」と言って本屋で買った単語のカードを渡した。

カードは約1000枚。100枚ずつ、リングに通して

「これ、覚えたらおいで」

何日かして、「覚えました」

「じゃあ、テスト」「よし、合格」「次の100枚」という風にやっていたら、8月でほとんど終わった。

だいたい覚えたので、「次は英訳やってみるか」

最初はもちろん、覚えた単語と英文が結びつかない。だから、英語の文の仕組みを教える。

「英語はまず主語(誰が)、そして動詞(どうした)、そして何を。あとは、どのように、どこで、いつ」

「主語は丸で囲って、動詞には波線。in や on、at の所に / を入れるんだ。そうやって、細かくしていけば、わかりやすくなる」

そんな風に一文一文訳しながら、1ヶ月が過ぎた。いつのまにか第47問まで進んだ。

そして今日。

「おっ、いいぞ。うまく訳している」

「ちょっと見えてきました」

「じゃ、学力診断テストの過去問、見せてみろ」

「まだ、全部解いていません」

「いいから、見せてみろ」

「おおっ、できてるやないか。この調子や!」

もう2ヶ月以上、空き時間を見つけては、定期的に校長室にやってきている。単語をしっかり覚え、意味をつかむコツを学んだから、内容がわかる実感がもてるようになった。あとは、過去問に取り組めばいい。ここまでくると、雪だるまが坂道を転がって自ら大きくなるように、どんどんわかるようになる。教える方も成長が実感できるから、なおさら気合いが入る。

2ヶ月前に蒔いた種がいよいよ花開く! 

どんな色の花を咲かせるのか、楽しみはつきない。やっぱり、教員はハンターではなく、ファーマーだ。

まずは、試してみる!

人は「見たり」「聞いたり」「試したり」、この3つが大事なのだが、多くの人は「見たり」「聞いたり」ばかりで「試す」ことをほとんどしない。試す場合は失敗がつきもの、しかしそれを恐れていてはダメだ。みんな、怖くて試さない、それをやるんだ 

こう語ったのは、ホンダの創業者 本田宗一郎さんだ。試す時には失敗がつきものだけど、失敗する前から批判や非難がやってくるから、それが怖くて試すのをためらう。練習試合は本番の大会で勝つためにいろいろ試してみる機会だから、時にはうまくいかずにボロ負けすることもあるはずだ。でも、その練習試合でさえ「負けるな、パーフェクトゲームで勝て」と無言の圧力をかけてくる。結果にこだわって、人の成長を長い目では見てくれなくなった。でも、「勝てば自信がつくが、負けた時ほど学ぶことはない」ことを忘れている・・・ 

ある生徒との会話

「この前のテスト、数学がボロボロでした。時間がないと分かったら、急に頭が真っ白になってしまって」

「犠牲を最小限に抑える方法を考えるいい機会だな」

「どうするといいですか」

「例えば、5分たっても解けない問題はとばすとか、得意な問題に時間をかけて解いて、80点のうちの65点を確保し、あとは1点でも多く稼ぐ方法もある。やみくもに1番から順番に解くのはオススメしないな」

「なるほど」

「そもそも、君ができなかった問題。みんなが解けないなら、できなくても差はつかないよ。そう考えれば、あっさりあきらめて次に進んだ方がよかったかもしれない。昔あったな、誰も解けなかった問題」

「へえ〜。あったんですか、そんな問題」

こんな会話は、テストで失敗した時しかできない。本番じゃないんだから、失敗してもいい。自信は失うかもしれないけど、学ぶことは多い。だからそれを生かせばいい。いつも勝ち負けだけを気にしていたら、勝てずとも、一方的な防戦をなんとか堪え忍んで、引き分けに持ち込む方法など身につくはずがない。人は負けたときや失敗したとき、より多くのことを学ぶのだ。だから、試してみることが大切だ。

あと一本!(はじける瞬間)

剣道や柔道は競技人口が少ないので、1つのチームに経験者が3人以上そろうことは滅多にない。団体戦は5人でひとチーム。経験者2人が強くても、チームが必ず勝てるわけではない。2人が圧勝しても残りの初心者3人が負ければ、2対3で必ず負ける。勝つためには、3人のうちの少なくとも1人が、勝つか引き分けに持ち込まなければならない。今日の女子の団体戦も中学から始めた3人のうちの1人が、粘りに粘って引き分けたおかげで、決勝トーナメントに進出し、3位入賞を果たすことができた。そして、別の初心者もとてもいい剣道をしていた。前へ前へと足を運び、大きな声を出して面や籠手を狙って竹刀を振る。「なんとか一本取ってほしいなあ」と思いながら試合を観ていた。その時ふと、柔道部の顧問をしていたときのことを思い出した。
その学年は5人いて、先鋒の軽量級の生徒は、小学校の県チャンピオンだった。中堅の中量級の選手も小学生の時から柔道を始め、中3の春には県ベスト4の実力があった。もう一人は、経験者ではあったがそれほど強い選手ではなく、残りの二人は中学校に入ってから始めた初心者だった。一人は70kgほどの体重で身長も170cm近くあったが、寡黙な生徒で人と話をしている姿はもちろん、笑った姿も見たことがない。もう一人は体重は100kg近くあり、身長も180cmぐらいあったが、色白のおとなしい生徒で、柔道を選んだ理由がわからないような生徒だった。
柔道の練習相手は、自分より体が大きくて体重の重い選手がいい。だから、軽量級の県チャンピオンは中量級の寡黙な生徒を練習相手に選び、中量級の選手は重量級のおとなしい生徒を選ぶ。体格は大きくても、経験には勝てず、素人の二人はいつも投げられ、 押さえ込まれ、寝技をかけられていた。それでも二人は休むことなく練習を続けていたが、練習相手にされるのは嫌だっただろうし、何度も部を辞めたいと思ったに違いない。
そんな練習が毎日続き、3年夏の地区大会を迎えた。団体戦の準決勝。いつものように経験者二人が勝ち、初心者と少し経験者の二人が負け、2勝2敗で大将戦となった。こちらの大将は体は大きいがおとなしい初心者の彼。相手はその前の県大会で3位入賞。夏の県大会では優勝と全国大会出場を狙っていた。力の差は歴然で、試合開始から一方的に攻められた。途中、相手が技をかけそこない、二人ともひざまずきなから倒れた。相手は攻めてこないと思ったのか、首に隙ができた。すかさずコーチが「絞めろ!」と声をかける。彼は相手の柔道着の襟をつかみ、絞めにかかる。「回れ、回れ」とみんなが声をかける(回るとうまく首が絞まる)。顔を真っ赤にして必死になって回ろうとしていたら、あっさり相手が彼の肩をたたき、ギブアップした。「やったな」「決勝進出や」既に勝った二人が声をかける。おとなしい彼は何も言わず、ただにっこり笑う。2年間の努力が見事にはじけた瞬間だった。もう一人の寡黙な初心者も個人戦で3位入賞、県大会に出場した。
「努力は人を裏切らない」・・・。その瞬間を見て、思わず涙が出そうになった。
そして今日。一生懸命足を動かし、技を繰り出し、何度も何度も一本を取りに行ったが、団体戦では出なかった。でも近いうちに必ず一本取り、この初心者女流剣士もブレイクするに違いない。必死で取りにいった一本が自信となり、固く閉じていた扉が一気に開いて、すばらしい景色が見えるはずだ。願わくば、その瞬間に立ち会いたいものだ。

がんばれ、大東中学校!

人にめぐりあう幸せ(その2)

先週の日曜日、啓新高校ソフトボール部との合同練習があった。あいにく朝から雨が降り、グラウンドの状態は良くない。しばらくして雨が上がり、合同練習が始まった。

啓新高校の女子ソフトボール部は三国高校と並んで、県内トップの強豪校である。ボール回しをしていても、球は速く、ビシッといい音がしてボールがグラブに収まる。大東の生徒も頑張っているが、まだまだ力不足は否めない。そうこうしているとシートノックが始まる。高校生は機敏な動きだが、大東の三遊間も負けてはいない。守備範囲も広く、足の運びもいい。なかなかやるなあと感心して見ていた。他のポジションの生徒も必死でボールに食らいつく。簡単なエラーはしない。練習試合でも、なかなか点を取られないのがわかるような気がする。そのうちに大東中の生徒をランナーにして、より実践的な練習が始まった。すると、大東のコーチが一人一人に走塁のコツを身振り手振りで教え始めた。ひんぱんに声をかけ、うまくいった時は大声で褒め、生徒をその気にさせていく。うまいものだ。そんな練習がかれこれ30分以上続いた。

最近、走塁が上手くなったと思ったが、その秘密が解けたような気がした。中学女子のソフトボールは初心者も多いから、ピッチャーが打たれて点を取られることより、四球やエラーがからんで点を取られることが多い。大東の練習試合を見ていると、四球やエラーで出塁したランナーが、いつのまにか3塁にいることがよくある。相手のミスを見逃さず、「私も次の塁を狙えたよ!」と楽しんでいるような気さえする。この姿を見て、ふと思い出したのが「弱くても勝てます 〜開成高校野球部のセオリー〜」という本だった。二宮和也が主演のドラマにもなったから、覚えている人もいるかもしれない。開成高校は毎年二百人近くが東京大学に合格するという日本一の進学校である。その野球部が自校のグラウンドで練習できるのは週1回。それも3時間ほどの練習で、東京都大会でベスト16入りを果たして大きな話題になった。監督は「(他の強豪校と)同じことをしていたらウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです」と言い切る。「守備は以外に差が出ない」と割り切り、練習時間のほとんどを打撃練習に当てる。

勝とうと思ったら、相手より点を取ればいい。四球やエラーは必ずあるから、貪欲に塁を進めれば点が入る確率は高くなる。ランナーが3塁にいれば、ピッチャーは緊張し、キャッチャーがボールをこぼせば点が入る。走塁が上手になったのは、コーチの、普段からの細かい指導の賜物か、と納得した。とにかく、果敢に次の塁を狙う。この日も高校生の守備の隙を突き、次の塁を狙わせ、うまくいったら大きな声で褒め、失敗は問わない。この人はさすがだなあと思った。

そもそもコーチは福井国体の選手で、国体の遺産を生かすために福井県が大東中に派遣してくれた指導者である。中国には「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」という言葉がある。いかに才能のある人がいても、それを認めて用いてくれる人は少ないという例えであるが、彼は生徒の力を引き出すのが実にうまい。そして、素人集団が勝つための、最善の方法を生徒に教えて、実践させている。なかなか得難い人物である。できるだけ長く大東中に関わってくれることを切に願っている。

コロナの影響 ―学校が3ヶ月休校だったこと-

3月2日の午後から3ヶ月、学校は休校だった。6月から再開されて、4ヶ月が経ち、学校は落ち着いたように見える。

でも最近、実感していることがある。それは、小学校から中学校への切り替えが遅れてしまったことだ。例年なら、4月に入学すれば、生徒の意識が切り替わる。「中学生になったから、勉強しないと、高校受験もあるし」という気持ちになる。

でも今年は、だらだら休校が続き、はっきりした区切りもなく学校が再開されたので、なかなかそういう気持ちにならない。その証拠に、今までなら平日の夕方に「中学生が公園で遊んで迷惑です。なんとかしてください」というような電話はなかった。中学生になったら、休日はともかく、平日は「勉強しなければならないな」「遊んでちゃ、まずいな」という意識がある。

遊ぶ前に勉強をしないと、中学校では授業についていけない。特に英語や数学は、レンガを積み上げていくような教科だから、1年の内容が分からないと2年、3年になったらさっぱり分からなくなる。受験が近づく10月、11月頃になってやっと、そのことに気づくけれど、その時にはもう間に合わない。「〇〇高校で☓☓やりたいんですけど」と相談を受けても、「もうちょっと勉強しておけばよかったな」という話になってしまう。

コロナウイルス感染症で教育格差は広がったというけれど、「オンライン環境」のせいではなくて、「小学生気分(休校気分)が抜けない」ことの方が大きい。

保護者のみなさん、お子さんは大丈夫ですか? 今ならまだ、間に合います。

 

人にめぐりあう幸せ

あれは、二年生が入学する前。ソフトボールをさせたいという親から相談があった。

その時は、二年生は十人以上いたけれど、一年生はひとりだったので、新入部員が入らなかったら、廃部にするか合同チームにするかしかなかった。隣の学校の校長先生にも電話をかけた。幸い部員がたくさん入ったので、合同チームの話はなくなり、二年生がひとり、残りは一年生ばかりのチームになった。

最初は、負け続け。素人が多いのだからしかたがない。夏になって三年生が引退し、そのポジションには、経験豊富な一年生が入った。

真面目が信条の素人監督は、やせるほどノックバットを振り、戦術を勉強して生徒に応え、技術は超一流のコーチは指導力もピカイチで、何より生徒をのせるのがうまい。

経験者が少ない素人集団も場数を踏むにつれ、ボールを遠くまで投げられるようになり、打てば強い当たりが飛ぶようになった。とりわけ走塁がうまくなった。出塁すれば、相手の隙を見逃さず貪欲に次の塁を狙う。 点の取れる、見ていて楽しい試合になってきた。どの選手も大きな声で伸び伸びプレーしている。いい仲間が集まり、誠実な顧問と経験豊富な指導者がコンビを組んで生徒の背中を押す。人に巡り合い、人に恵まれるのが一番の幸せだ。ソフトボール部の生徒は試合が楽しくてしかたないと思う。

がんばれ、大東中学校!

 

この頃、思うこと!

「現代経営学」や「マネジメント」の発明者であるピーター・ドラッカーの本の中に、次のような話がある。

紀元前440年頃、ギリシャの彫刻家フェイディアスは、アテネのパンテオンの屋根に建つ彫刻群を完成させた。
フェイディアスの請求書に対し、アテネの会計官は支払いを拒んだ。

「彫像の背中は見えない。見えない部分まで 彫って請求してくるとは何事か」

それに対し、フェイディアスは 答えた。

「そんなことはない。神々が見ている」

苦労をして子どもを育てていた母親の口癖は、

「うそをつくな。お天道様(てんとうさま)は見ている。」だった。

そう言われて育ったせいか、今でもどこかで誰かが自分を厳しい眼で見ているような気がしている。いつも、お天道様には「手を抜くな」とか「うそをつくな」とか「人に迷惑をかけるな」と言われている。でも、それは「お天道様はいつも自分を見ていてくれる」ということであり、「自分はお天道様に守られている」ということでもある。自分の人生についてはとても楽観的で、「(お天道様に見守られているから)自分は最終的には運がいい」と思っているから、つらいときもがまんができた。

「お天道様が見ている」といっても、今の中学生は話を聞いてもくれないだろう。でも、人が幸せに生きていくには、お天道様のような絶対的な存在は必要なので、今の時代のお天道様ロスはとても大きくて痛い。

神は細部にこだわる!

読書は趣味なので、よく本屋さんに行く。手にとって、中身を確かめられるから、ネットでは買わない。最近がっかりするのは、本が無造作に並べられていることだ。きちんと元に戻さない人が増え、扱いがずいぶん雑になったと思う。だから、崩れている本に目が行き、次から次へとそろえていく自分を周りの人は変な目で見ているにちがいない。

「神は細部に宿る」 建築家 ミース・ファン・デル・ローエの言葉だ。

放課後、廊下から教室の中をのぞいたとき、窓の鍵がかかっていて、机といすのタテヨコがそろい、ゴミが落ちていないのをみると、先生の目は細部まで行き届いていると思う。きっと生徒も喜んでいるだろう。きれいな教室を汚く使おうとする生徒はいないし、きれいなところでゴミを出すのは気が引けるだろう。自然、心が穏やかになってくる。以前、「トイレの神様」という歌が流行った。神はきれいなところが好きだから、きれいなトイレには神が宿る。トイレットペーパーがたれ下がっていたり、芯がそのまま残っていたりするトイレには神は宿らない。次に使う人のことを考える。きれいなところは誰でもうれしい。汚くなりがちなところだったら、なおさらうれしい。ちょっとした心遣いは人を幸せにする。

 

子どもを褒めるのは難しい!

前にも話したことがあるが、人は褒めることが得意ではない。それは、自分が褒められて育ってこなかったからだろう。子どもが自分なりの努力をして、結果を残したとする。最初は「がんばったね」という言葉から始まっても、いつのまにか「おまえならできると思った」となり、「もっと頑張れるんじゃない」とか「次の目標は」という話になってしまう。結局、子どもを叱咤激励しているだけで、がんばったことの褒め言葉にはなっていない。だから、いつもと違ってがんばっているなあと感じたら、たいした結果が出ていなくても、がんばっていたことだけを手放しで褒めたなら、子どもはもっと伸び伸びと、次もがんばろうとするに違いない。いつだって、子どもが一番うれしいのは親に褒められ、認められた時だからだ。 

宇宙兄弟を読んでいたら、こんな言葉があった。 

  迷った時はね

  「どっちが正しいか」なんて考えちゃダメよ

  「どっちが楽しいか」で決めなさい 

理詰めは人を納得させることはできても、人を動かすことはできない。思いっきり褒めてやらないと、人は動かない。

イトーヨーカ堂の設立者 伊藤雅俊さんの言葉

「お客さんは来ないもの」「取引をしたくてもお取引先は簡単には応じてくれないもの」「銀行は貸していただけないもの」、そのようなないない尽くしから、商いというものは出発するのだよ 

「商売とはね、お客さまを大事にすること、そして信用を大事にすること、それに尽きるのだよ」 

お客さまには「見えているお客さま」と「見えていないお客さま」の二種類のお客さまがいらっしゃるのです。商売の難しいところは、「見えているお客さま」に満足していただくだけでなく、「見えていないお客さま」のことも想定しなければならない点です 

日々の商売を力強くすすめていくために大事なことの一つは、いわゆる世間というものを信頼することだと思います

伊藤雅俊さんには「商いの心くばり」というすばらしい本があります。読みすすめると、あちらこちらで心に響く言葉に出会います。それがどれだけ仕事の役に立ったことか。興味のある方は是非、手にとってみてください。オススメの一冊です。

久しぶりにオススメの本!

弱虫の生きざま ー身近な動植物が教えてくれる弱者必勝の戦略ー 著者 亀田恭平 出版社  KADOKAWA

NHKのニュースで取り上げられているのをたまたま見て、とても面白そうに思えたので、早速買って読んでみた。身近な生き物は知恵を絞り、さまざまな工夫や策をこらして自然界で生き残ろうとしている。その生きざまは私たちの生活を豊かで楽しくしてくれる手がかりとなるとともに、自然の神秘やすばらしさも再確認させてくれる。ヘタな自己啓発の本よりも役にたつ、大人にもオススメの本である。ぜひ、読んでみてください。

 

成績表をお渡しします!

本日、3学年とも成績表をお渡しします。1,2年生は定期考査の結果を、3年生は8月に実施した確認テストと定期考査の結果を載せてあります。回収はしません。

せっかくなので、成績表の見方について、お話ししたいと思います。

まず、成績表をもらうと、合計点や番数に目が行きがちですが、それだけでは、生徒の成績を理解したことにはなりません。もう少し考えてみると、子どもをほめるポイントが見つかります。

まず、番数ですが、テストはみんなも同じように勉強しているので、そう簡単には上がりません。ですから、上がっていたら、まずは手放しにほめてあげましょう。一生懸命、テスト勉強をした証拠です。

次に、それぞれの教科の点数をみて、できている教科をほめてあげましょう。人は、苦手な教科をみて、「次はこの教科をがんばれば、もっとよくなるね」というようなことを言ってしまいがちです。でも、苦手な教科を得意にするより、得意な教科をさらに伸ばす方が子どものやる気が出ます。できなかった教科は目をつむり、できる教科をさらに伸ばすよう、話をしてあげましょう。心配しなくても、得意な教科が増えれば、苦手な教科もできるようになってきます。

そして、今度はそれぞれの教科の点数をみます。これは教員の経験で、根拠はありませんが、80点以上あれば、習った内容は理解していると考えていいでしょう。50点以下なら、本人の努力だけで内容を理解するのは難しいです。必ず誰かの手助けが必要です。友達や兄弟、先生などの力が必要です。50点以上なら本人の努力次第です。50点を60点にするのに1の努力が必要なら、60点を70点にするのに2の努力、70点を80点にするに3の努力、80点を90点にするには6の努力が必要です。90点からは1点上げるのに同じだけの努力が必要です。

中学校の成績は、学習習慣がものをいいます。予習で教科書を読み、授業を受け、課題やワークに取り組めば、よい成績を残せるようになっています。頭のよさだけでは、安定した成績を残せません。家に帰った後、宿題をしてから自分の好きなことをするか、自分の好きなことをしてから宿題をするかの差とも言えます。成績が上がらず悩んでいる人は、早く教科の先生に相談に行くといいです。よいアドバイスがもらえると思います。

次の大きなテストは、1,2年生は11月4,5日に確認テストがあります。3年生は10月1,2日に確認テスト、11月4,5日に学力診断テストがあります。まずは成績を分析して、自分の得意な教科は何か、どうやったらもっと伸ばせるのか、考えてみることから始めてみましょう。

 

ネット時代・・・

田中角栄元総理大臣といっても、生徒のみなさんはもちろん、保護者の皆さんも余り知らないかもしれない。金権政治で日本中から批判されたが、人の心がわかる人だったことは間違いない。そうでなければ、小学校しか出ていない人が総理大臣になれるはずはない。

その田中角栄元総理大臣の言葉に、「人の悪口は5分もたてば、相手に届く。遅くても夕飯までには届く。でもほめる話は1年経っても届かない」というのがある。

ネット時代になって、人の批判は瞬時に、そしてどこでも届くようになった。アメリカの大統領の悪口だって、いつでも書けるし、ネットですぐに届く。

でも、人をほめる話はネット時代になっても一向に届かない。ほめようと思えば、いつでもどこでも届くはずだが、そんな話は滅多にお目にかからない。新しいことをやれば、批判はくるけれども、よくやったという言葉はこない。がんばっていますね、という言葉すらやってこない。

先日、「少年の主張」コンクール福井県大会の審査をする機会があった。県下の中学校から8名の生徒の作品が選ばれ、審査するものであった。

その中の一つに、「人は自分の見たいものしか見ない」という言葉があった。誰でもそうだと思うが、人は人の良いところを見つけるのが苦手である。人をほめるのはもっと苦手である。だから、「〇〇していただいてありがとうございます。でも、△△。・・はいかがなものでしょうか」という話になる。

人の批判からは、新しく前向きなものは生まれてこない。先が見通せない不安な時代に、批判ばかりがやってくるのなら、何かやろうという気持ちは起きてこない。コロナウイルス感染症に感染しているとわかると、あちこちから誹謗・中傷がやってくる。医療従事者や介護従事者、飲食店が真っ先に批判されるのでは、たまったものではない。ネット時代だからこそ、人ががんばっている話や人をほめる話を発信していかなければならない。それが今の日本に欠けていることだ。

コロナ時代・・・

今年の夏休み、屋根の瓦が割れているのを見つけ、直さないと、と思って、ネットで業者を探すと、教え子の両親が経営していた会社を見つけた。家の近くでもあり、料金も手頃だったので、電話するとすぐに来るという。家で待つこと20分、名刺をもらうと見覚えのある名前があり、代表取締役と書かれていた。

「いくつになった」

「40です」

「25年ぶりやな」

「覚えていてくれたんですか」

「もちろん」

お盆の前には、「弟が話したいと言っています」というメールがやってきた。こちらは30年以上会っていない。どこで働いているかは知っているけれど、会うことはないので、せっかくだからと思い、電話して替わってもらった。さんざん、からかわれたが、次に話す機会はないかもしれないと思うと、とてもうれしかった。

コロナ時代・・・。

一番心配しているのは、中学3年生の時、クラスみんなで何かをいっしょにやったという思い出がないことだ。修学旅行もなくなり、春夏の部活動の大会もない。学校祭も縮小となれば、20年後、30年後に同窓会をしても、共通の思い出がない。共通の思い出がなければ、みんなで集まろうという気持ちは生まれて来ない。だから、3年生のみんなは真剣になって、自分のクラスで自分たちの思い出づくりをしたほうがいい。こんな時だからこそ、みんなで何か一つのことに取り組む。気の合う仲間とだけやるのではなく、クラスみんなで何かをする。今はわからないかもしれないけれど、思い出がないというのはあとあとまで尾をひく。それは1,2年生も同じだ。

どの学年も授業の遅れはもう解消しているので、それなりのまとまった時間をあげることもできる。あとは、みんなの気持ちだけだ。クラスみんなで楽しむ。それがコロナ時代に打ち勝つ方法だ。

校長 湯口 和弘

今日の大東中学校!

放課後、3年生の生徒が英作文を持ってきました。毎回毎回、内容がよくなっているので大変楽しみです。ついでに受験テクニックも伝授して、目標の高校に合格してくれれば、と思います。話していると、とても意識が高いので、間違いなく合格すると思います。

いつも6時を過ぎたころから、学校中を回ります。感心するのは南校舎2階、3階のトイレです。清掃道具がきちんと整頓されています。使い終えたトイレットペーパーの芯も残っていませんし、床にトイレットペーパーの切れ端も落ちていません。たぶん、学校中で一番きれいな場所だと思います。毎日清掃してくれる生徒に大変感謝しています。ありがとうございます。次に感心するのは1年生の教室です。机とイスがきちんと並んでいて、秩序があります。トイレがきれいな学校は、いい学校です。生徒玄関のくつがそろっている学校も自慢できます。「神は細部に宿る」といいます。ほんの小さな違いが積み重なって、大きな差となってあらわれるのではないでしょうか!

いよいよ、梅雨入り!

おはようございます。学校が始まり、2週間が経ちました。5教科の授業は、どの学級も46時間程度ありました。昨年の3月にできなかった授業は40時間程度なので、やっとその分が終わりました。これからも特別時間は続き、なんとか夏休みまでに、例年と同じ進度まで進めたいと考えています。

さて、毎朝学校に来てやっていることは、生徒玄関に咲いている花の世話です。

世話といっても水をやり、咲き終わった花を摘み取るだけですが、20分ぐらいの時間がかかります。

植物は大変正直で、5月のゴールデンウィークに水をやり忘れた日が3日ほど続いたら、すぐに元気をなくし、枯れ始めました。これは、まずいとその日から毎日かかさず水をやり続けています。しかし、素人はどのくらい水をやっていいのか、わかりません。花壇の世話をしていただいている人に相談すると、「水はやりすぎると、植物が元々持っている水を吸収する力がつかない」と言われました。植物も過保護はダメだということです。

「咲き終わった花を早めに摘み取るといい」とも言われました。「花が咲き終わると、その花が使っていた養分は種になるのに使われる。だから種に養分がいかないように花を摘み取れば、その養分は他の花を咲かせるために使われ、次々に花を咲かせますよ」と言われて、実践してみると確かに、次から次へと花が咲き、きれいな状態が長持ちして、かれこれ1ヶ月以上経っています。やはり長年、栽培に携わっている人の知識や経験は違います。すぐに成果があらわれるのもすばらしいです。

では、今日も工夫して楽しく生活しましょう!生徒のみなさんは、体をやすめてください。

校長 湯口 和弘

オススメの本(第3回)

今回は学校司書の先生に、オススメの本を紹介していただきました。

「君の膵臓をたべたい」(住野よる・著/双葉社)

2016年の本屋大賞、第2位に選ばれた作品です。この本は、中高生から絶大な人気を得ています。 人と関わることに無関心な僕と、死の間近にいる天真爛漫な彼女。正反対の2人は、やがてお互いになくてはならない存在になっていきます。 恋愛を超えた純愛とでもいうんでしょうか、ありふれた言葉では表しきれない関係は、何か、「生きる」ということに対する憧れのように感じました。
そして表紙の桜並木は、なんと福井の足羽川をモデルに描かれたものです。(イラストレーターの方が、福井出身)出版社から「青春100%の絵にしてほしい」という依頼を受け、真っ先に思い浮かんだのが、あの桜並木だったそうです。
日常の中の、一つ一つの選択を大切にすること。そして、今日生きているということは、誰にも等しく与えられた奇跡なんだということを、思い出させてくれる作品です。
(ちなみに、住野よるさんの作品は、今年の県立高校の入試問題にも出題されています。)

 

昔は読み、書き、そろばん

昔は習い事といえば、読み、書き、そろばんでした。

では今は何でしょう。

長い間教育に関わってきた経験からいうと、今は読み書き、そろばん、英語ではないでしょうか?

今は、何か読んで理解したら、必ず自分の考えをまとめて表現することが求められています。レポートを書いたりプレゼンをしたりして、入力(学ぶこと)と出力(まとめて発表すること)が一体になっています。だから、本を読むだけですませるのではなく、その本の中で気に入った部分をノートに書き出したり、感想を書いてみたりすると、高校や大学、社会人になってずいぶん役にたつと思います。(自分も本を読んでいるとき、気にいった部分や思いがけない部分に線をひいて、それをあとでノートに書き写していました。)

本は今、売れているそうです。時間をつぶすのに読書ほどいいものはありません。まずは、自分がおもしろそうだなと思う本を読んでみましょう。1冊読んでおもしろかったら、その作家の別の本を読むのはとてもいいことです。そうやって、どんどん興味の輪を広げていきましょう。こんな読み方もあります。中国の「三国志」が好きなひとは多いでしょう。「三国志」を読んだら、日本の戦国時代の本を読んでみる。今、NHKの大河ドラマは「麒麟がくる」です。明智光秀の話ですが、織田信長や斎藤道三に興味があるなら、司馬遼太郎の「国盗り物語」を読んでみる、というように少しずつ範囲をひろげていくのです。一つの作品や作家を中心に、関連するものを読んでいく、読み終わったら、200字ぐらいの感想を書いておくと学校の授業のかわりにもなり、十分おつりもくると思います。早い時期からやりはじめると、いっそう効果があります。何かとじっくり向き合う時間は大切です。そこから、子どもの未来が見えてくると思います。

そろばんと英語については、また機会があれば書いてみたいと思います。

追伸 音楽の先生に、「大切なもの」を弾いていただきました。学校からのお便りの臨時休業関係のフォルダに入れておきました。歌ってみてください。

こんな時だからこそ、本を読もう!

今、本屋さんに行くと県内の高校がオススメする本を紹介するコーナーがある。新入生への課題図書だ。その中に「ポーツマスの旗 ー外相・小村寿太郎ー」という本がある。作者は吉村 昭という人で、奥さんが福井市出身の津村節子さんなので、本県にもゆかりがある。歴史の授業で習ったと思うが、日露戦争後のポーツマス講和条約締結の交渉を行った中心人物が小村寿太郎である。この本を読んでいくと、多くの人が戦争に巻き込まれ、幸せな人生を奪われていくが、その中で強く生きていく人の姿が描かれている。今回の新型コロナウイルスのせいで、ついさっきまで、そこにあった幸せな学校生活が奪われてしまったと思っているかもしれない。なぜ、自分たちの時に、と恨んでいるかもしれない。でも歴史を振り返ってみると、こんな出来事は何度もあって、困難に負けず、一生懸命生きようとした人がいたことは、例えばこの本を読むとよくわかる。本を読むということは、人の生き様を知ることであり、自分が生きる意味や生きる勇気を学ぶことになる。こんな時こそ、苦難に負けなかった人について書かれた本を読んでほしい。オススメはいくらでもある。でも、いつか必ず読んでほしいのは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」と「竜馬がゆく」だ。

 

好きこそものの上手なれ!

将棋界の天才といえば、羽生善治さんが浮かびます。その羽生さんは「ずっとやっていられる」というのが才能だと言います。そのことについて述べた文を紹介します。

確かに将棋は才能の世界で、奨励会に入ってくるような子どもはみんな、普通の子に比べて才能がある。羽生さんがそうであるような、明らかな天才だっているわけです。

でも、その子どもたちがプロになって活躍するか、伸び悩んでやめてしまうかの分かれ目は生まれつきの才能にほぼ関係ない。1日8時間、毎日将棋の勉強をする生活を何十年続けられるか、この一点にかかっているというのが羽生さんの話でした。

結局、好きだから続けられるんですよね。羽生さんも将棋のことを考えるのが楽しくて、30年もの間、対局があってもなくても、どんなに疲れていても、毎日5〜6時間は将棋について考えているというんですよ。

「才能って何かっていったら、結局続けられるかどうかだと思います」という羽生さんの話で、僕は「ああ、本当に将棋が好きなんだな」と思いました。 

世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術    著者 水野 学 山口 周 朝日新聞出版 2020年

追伸 新1,2年生にワークを配付しています。早めに取りに来ていただけると大変助かります。よろしくお願いします。

 

オススメの本(第2回)

世界のたね  真理を追いもとめる科学の物語  アイリック・ニュート 著  猪苗代英德 訳  NHK出版 1999年

 子供向けの本には大人にとってもいい本がたくさんある。新型コロナウイルス感染拡大のことを考えていた時、この本を思い出したので、ちょっと長いけれども、引用する。

1348年から1350年にかけてヨーロッパでは黒死病、ペストという伝染病が流行し、ヨーロッパの全人口の三分の一が命を奪われ、ヨーロッパ以外の国々でも何百万もの人が死んだ、と述べて次の文が続く。 

「この病は人を選ばなかった。貧しい人びとも裕福な人びとも、おなじようにこの病におかされた。医者たちは、患者がつぎつぎに死んでいくのを、ただ黙って見ているほかなかった。いくら司祭たちが神に祈ったところで、まったくむだだった。

ほんの短期間のあいだに、まわりの人の三分の一が死んでいくという状況がどういうものなのか、きみもちょっと想像してみるといい。きみの町の住民の三分の一が、クラスメートの三人に一人が、家族の三人に一人が、いなくなってしまうんだ。きみなら、そのあとどうやって生きていく? そんなすさまじい災厄のあとに、生き残った人たちはなにを考えていたんだろう? 昔はメディアも世論調査もなかったから、当時の人たちの行動を知ることはむずかしい。でも、おおかたの人は、たぶん、神への信仰を失ったんじゃないだろうか。生涯の大部分を教会に捧げてきた人たちに破局が訪れたとき、助けてくれる神はどこにもいなかったんだから。

その思いは、黒死病がおさまったあとのイタリアで起こったできごとに、少なからず反映しているだろう。大災厄によって社会は完全に麻痺し、多数の農民や労働者がいなくなり、孤児は町にあふれ、修道院や大学は優秀な学僧や学者を失ってしまった。けれども、数十年後、イタリアは復興したんだ。そして、一つの革新的な運動が起こった。」(教科書で習うルネサンス運動の前にはこんなできごとがあったのだ。)

私たち人間は、何度も大きな危機を乗り越えてきた。歴史は、そのことを教えてくれる。科学の歴史に興味があるなら、この本はオススメだ。

 

集中力を生むために!

NHKに羽佐間正雄さんという名スポーツ・アナウンサーがいた。かつて圧倒的な強さで、帝王と呼ばれ、史上最高のゴルファーと称されたジャック・ニクラウスさんへのインタビューがおもしろいので紹介する。

 

そこで、私は集中力を生むためには何が重要かを質問した。

「それは努力です。」

日本人とおなじようなことを言うなと思いながら、私はさらに聞いた。

「二番目には?」

「二番目に必要なのは、努力ですよ」

「では、三番目は?」

「三番目は努力ですね」

「では、四番目はなんですか」

やっとニクラウスは答えを変えた。

「それは、みなさんが想像もできないような努力です。人が考える二倍も三倍もの努力です。それだけの努力を積み重ねてきたら、そこではじめてどんな人もどんなことに対しても、自信のようなものが芽生えてくるはずです。その自信が芽生えたあとに、初めて集中心がやってくるんです。自信という裏づけがあって、初めて集中できるようになるんです。

努力を支えるもの、それは最終的には強い志に他ならない。(「実力とは何か」1987年)

学校は花でいっぱいです。

年々歳々花相似たり  (毎年毎年、花は変わることなく咲くけれども)

歳歳年々人同じからず (毎年毎年、人の顔ぶれは変わっていく)

という、中国の詩を思い出します。

 

 

中学生にオススメの本!(第1回)

砂糖の世界史  川北 稔著  岩波ジュニア新書276


砂糖という、誰もが好む甘くて白いモノに取り上げて、世界史の流れをダイナミックに描く。砂糖をつうじて歴史をみることで、2つの大切なことがわかるという。ひとつは各地の人びとの生活の具体的な姿。もうひとつは、世界各地のつながり。砂糖の歴史を語ることでイギリスの紅茶文化やアフリカの奴隷の歴史、中央アメリカにある島々の地理、アメリカの独立の経緯などがスッキリ理解できる。岩波ジュニア新書が発刊されて今年で41年。この本は過去10年間でもっとも売れている本らしい。読み終えてみるとなぜ売れているのかがよくわかる。オススメの本だ。

英語を学ぼう!(第4回)

次にやることは、文のしくみを理解することだ。

多くの英文は、誰が+どうした+何を+どのように+どこで+いつ、という順で単語が並んでいる。その語順をつかめれば、理解しやすくなる。語順中心の英文の理解は、英語の先生に聞くのが一番。2週間も通えば、大抵の生徒が理解できるし、身につけておけば、一生役に立つ。英語の苦手な人はぜひ、やってほしい。

語順をつかむことができたら、次は英文をみて、意味のまとまりで複数の単語をひとくくりにできると、さらに理解が進む。英語の単語は、一つ一つの単語も大事だけれど、2つ以上の単語が組み合わさる方がもっと大切だ。ここまでできれば、あとは実践あるのみ。どんどん英文を読んでいこう。リスニングをしよう。英語が直接頭の中に入ってくるはずだ。

 

生徒の皆さん、教科書を読み始めましたか?

学校再開まで、あと3週間、21日間、504時間です。チコちゃんに、「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られないように勉強し、体を鍛えていますか?

今日も朝から学校の周りをランニングする高校生がいました。ぼーっと過ごさないように、一日のスケジュールを立てて、生活しましょう。ポイントは、毎日の日課を見える化することです。

Today(生活ノート)が配られています。それには、一日の生活を書く場所があります。そこに今日することを書きましょう。必ずしてほしいのは、勉強と体を鍛えること。やったことを記録して、日課を見える化(見たらわかるように)します。勉強は1時間とか2時間というようにはしないで、数学のテキストを1ページとか数学の問題を10問というように具体的にします。何でもそうですが、気分が乗ってくるまでには、時間がかかります。だから、最初は自分の好きな教科から始めるといいでしょう。必ず形に残すこと、そしてそれを家の人に見てもらいましょう。家の人には、子どもがやったことを、ほめる、ねぎらう、認めるの3つをお願いします。それから、スケジュールは必ず、子どもに決めさせてください。押しつけてもどうせやりはしません!

3年生は、数学と英語は毎日やった方がいいです。前にも言いましたが、数学は受験の合否を左右します。英語は、急に成績が上がる教科ではありません。毎日、30分ぐらい時間をかけてやらないとなかなか成果が見えません。(英語の成績を上げるとっておきの方法を教えましょう。それは、新しい教科書の英文をノートに写して、面倒だったらコピーでもいいです。それをノートに貼って、一文一文日本語に訳していくことです。わからないところは飛ばしてもいいです。学校が始まったら、先生に聞きましょう。これは確実に成績が上がります。)

1年生はぜひ、教科書を読んでください。国語や歴史の教科書は、最後まで読み通しましょう。数学は教科書の例題を解いてみてください。今、勉強しておくとよいスタートを切ることができます。特に女子は今、勉強の貯金をしておくと、3年生になっても困ることはありません。1年生は基礎英語を聞いてください。英語は一生役に立つ資格のようなものです。

2年生は、1年生の復習をしておくといいでしょう。2年生も基礎英語を聞いてください。来年、英語は急に難しくなります。でも、今から準備しておけば、大丈夫です。

ストレスがたまったら、外に出て散歩しましょう。いい気分転換になります。バケツでも持ってゴミを拾えば、地域の人に感謝されます。そんなことも考えてみるといいですね。みんなで力を合わせて、この大変な時期を乗り越えていきましょう。「ぼーっと生きていてはだめです。」

 

 

英語を学ぼう!(第3回)

小学校で楽しく勉強してきた生徒が、中学校で英語が嫌いになるのは、英単語を書かなければならないからだ。

発音と単語のつづり(スペリング)には決まりがあるようでないし、数も10ずつ増えていく感じなので、覚えても覚えても追いつかない。英単語をみて意味が浮かばないと、意味のわからない単語だらけになって、何が書いてあるのかさっぱりわからない、わからないから楽しくない。そう思っている間にも習う単語が増えていくから、ますますわからなくなり、やる気を失ってしまう。

しかし、単語が書けないとダメなのかというと、実はそんなことはない。英単語をみて、発音ができ、日本語の意味が浮かべば、十分である。意味がわかる単語が多ければ、英語がわかるようになるまでにはそれほど時間はかからない。今はすぐれたアプリもたくさんあるから、それを使えば、昔みたいにひたすらノートに単語を書きまくって覚えなくてもすむ。

英語が苦手な生徒は、単語のつづり(スペリング)をみて日本語の意味が言える単語を増やしていくといい。つづりは覚えなくてもいいから、英単語を見て発音して日本語の意味を確認することを繰り返す。単語の意味がわかれば、英文の意味もわかるようになる。だから、第1回で基礎英語を聴いてほしいとお願いしたのは、聴いてまねをして発音しているうちに単語を覚えてしまうからだ。単語は7回見ると覚えてしまうという研究例もある。

まずは、リスニングのシャワーを浴びることだ。だから、基礎英語を聴こう!(つづく)

受験勉強の第1歩!

今日は、3年生に教科書を配っています。1,2年生とはちがって、3年生には5教科のテキストも配りました。このテキストを使って、受験勉強を始めてほしいからです。受験勉強というと、何か特別なことを考えがちですが、今はできるだけ、1,2年生の復習をするといいです。テキストを開いて範囲をみて、自分の興味があるところから始めるといいでしょう。最初からやろうとすると、すぐに行き詰まります。まずは、興味のあるところから手をつけましょう。(テストを配ると、1番から順にやろうとする人が多いですが、本当は自分の得意な分野からやる方が落ち着いてテストに臨めます。)

問題を解いていくとできない問題が出てきます。できない問題をできるようにすることが受験勉強です。生徒の様子を見ていて、一番効果がないと思うことは、できなかったらすぐに赤ペンで解答を写すということです。これをやり続けても成績は上がりません。それより、5分考えてできなかったら、そのままにしておいてあとで先生に聞く、または別の日にやってみるのがいいでしょう。できなかったら飛ばして次の問題に移る。赤ペンで答えを書いてしまうと、もうその問題は見ません。できなかったら、何度でも繰り返して解き直せるようにノートに書いていくのもいい手です。教え子もなかでもっとも成績が良かった生徒は、付箋(ふせん)を貼って同じ問題を3回解いていました。問題集を解くときは、自力で解けたか、解けなかったかをはっきりすることが大切です。

英語を学ぼう!(第2回)

実は、令和3年度から中学の英語はとても難しくなる。使われる教科書が難しくなるからだ。新しい教科書は、小学校で英語活動に慣れ親しんだことを前提に作られている。

まず、中学卒業までに学ぶ単語が増える。現在の教科書では1200語程度だか、新しい教科書では1600語〜1800語。これに小学校で学んだ600語〜700語が加わって、2200語以上になる。これだけ学べば、日常会話の90%以上はカバーできる。英英辞典は約2000語ですべての単語を説明しているから、英英辞典も使えるぐらいの単語数だ。そして、英文がどんどん長くなる。長い英文を速く正しく読み取ることが求められる。加えて、「使える英語力」ということで、「即興」での言語活動が増える。インタビューをしたり、スピーチをしたり、授業の中で話す機会が増えていく。

今までの教科書とのギャップが大きくて、来年の3年生、2年生は英語が難しいと感じる生徒が増えるはずだ。(つづく)

 

英語を学ぼう!(第1回)

英語が話せたら、楽しいことばかりだ。外国はどこでもいけるし、英語の歌も歌えれば、映画も楽しめる。世界中の人と話ができる。

どうしたら、うまく話せるようになるだろうか?

確かに英語は簡単に話せるようにはならない。なかには、何ヶ国語も話せる人がいるけれど、たいていの人はとても長い時間をかけている。

英語の学習には順番がある。まずは、リスニングから始めることだ。小・中学生は、NHKの基礎英語を聴くのが一番いい。慣れてきたら、声を出してまねをしてみる。初めはうまくなくても、そのうち上手になるし、意味もわかるようになる。とにかく聴き続けることだ。外国人はカラオケやアニメ、マンガで日本語の勉強をする。みんなも、映画やカラオケ、マンガで英語を勉強するといい。

単語は覚えようとしなくていい。文法を勉強するのは、もっと後でいい。とにかく、聴くことだ。みんなは今、時間がある。NHKの基礎英語を聴いてみよう。(つづく)

 

生徒の皆さんに提案があります!

学校再開が5月7日以降となり、皆さんには自由な時間がもう1ヶ月あります。この時間はたぶん人生の中で二度とやって来ない自由な時間です。

時間は大変貴重ですが、意識していないとあっという間に過ぎてしまいます。

(3月2日からの1ヶ月を振り返ってみましょう。何をしたか、形に残っていますか?)

そこで、皆さんに提案です。

休みが明けて、「この1ヶ月、何をしましたか?」と聞かれたとき、「毎日、これだけはやりました。」と答えて、家の人や担任の先生に見せられるものを残してください。

「毎日、1時間勉強しました。」では、誰も確認ができません。でも「この問題集を〇〇ページから〇〇ページまでやった。」という形なら、確認ができます。

毎日の生活でも同じです。

「今日は、これをやったから、見てみて。」と言って、やったことを見せれば、家の人も安心するし、皆さんはやったことを積み上げていくことができます。

頭と体を鍛えるために1つずつ選んで、それをとことんやってみましょう。

この1ヶ月をどう過ごすかは、この1年をどう過ごすかにつながり、最終的には自分の人生をどうしたいのか、につながっていきます。新型コロナウイルス感染症の拡大は、マイナス面が大きいですが、中学生一人ひとりに、「君はこの時間を将来の幸せのために、どのように使うの?」と問いかけています。

自分のやったことを形に残し、きちんと記録しておきましょう。そうすれば、あとで後悔することもありません。

 

追伸 

新入生の皆さんは、今日教科書を手に入れました。ぜひ、教科書を読んでください。興味があれば、筆記用具を手にとって、問題を解いてみるのもいいでしょう。教科書を読み終えたら、最強の武器を手にしたと言えます。ぜひ、やってみてください。

 

環境は人を創る!(最終回)

ビル・ハリスという世界的なセラピストがいる。

彼は言う。「どのようなセミナーでも参加者全体の2%しか学んだことを実行しない。残りの98%は何もしない。皆さんは可能性に満ちた存在であるが、何かを達成するには、実際に行動を起こさなければならない。」

ということは、30人いる自分の学級で、「これをやるといいよ」と力説しても、実行する生徒が1人いれば上々ということになる。

頭を殴られたような気がした。

それからの話は、「君たちは可能性に満ちた存在だから、何かを得たいのなら行動を起こさなければならない」とだけ言うようになった。本をたくさん読むのもやめた。いくら知識があっても行動に移さなければ意味がないからだ。浮かんだアイデアを形にすることにこだわるようになった。「小さなことでもやってみよう」と勧めるようになった。

よくある赤字工場再建物語はトイレをきれいにすること、不要なものを捨てることから始まる。うまくいっていないところは流れがよどんで汚い。だからきれいにすることから始まる。当たり前のことだけど、なかなか行われていないのが現状だ。

よい環境を創れば、人は勝手に育っていく。言うのは簡単だが、それが一番難しい。(了)

 

環境は人を創る!(第3回)

その学校の様子が一目でわかるところがある。それはどこだろうか?

生徒玄関である。

落ち着いた学校は、下足箱の靴がそろっている。かかとが履きつぶされていない。

トイレがきれいな学校も、間違いなく生徒が落ち着いている。

だから、学校に来ることがあったら、ぜひ生徒玄関の下足箱を見ていただくといい。

落ち着いた生活を送っている生徒は、靴がきちんとそろっているし、履きつぶしたあともない。成績が伸びるかどうかも、靴を見ればわかる。

教育学者の森信三先生は、「学校の再建はまず紙くずを拾うことから。次には靴箱のかかとが揃うように。真の教育はこうした眼前の些事からスタートせねば一校主宰者たる資格なし。」と述べている。しつけは、「ハイの返事」「あいさつ」「はきものをそろえる」の3つで、これだけやれば他のしつけはできるようになるとも言っている。

靴と下足箱には、その学校に通う生徒の心が現れている。(つづく)

 

環境は人を創る!(第2回)

学年主任になったころから、朝の日課は校舎内をすみずみまで見回ることだった。

ゴミが落ちていればゴミ箱に捨て、トイレットペーパーがなくなっていれば補充し、蛍光灯が切れていれば取り替えた。生徒が登校する前にきれいにしておく。生徒には汚いところ、壊れているところを見せないよう心がけた。

皆さんは「壊れた窓」理論を知っているだろうか?

この理論は「無傷の建物なら石を投げない人間でも、すでに窓がひとつ壊れている建物なら、もうひとつ窓を壊すことには抵抗を感じないし、さらに、次々に窓を割っていくだろう」と考える。

ゴミが落ちていれば、ゴミを落とすことに躊躇はしないし、そのうち落書きなども平気でするようになって、どんどんエスカレートしていく。

そうならないために、小さなことをおろそかにせず、些細な問題が大きな惨事に発展するのを防げ、ということを元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏の本から学んだ。

このことは、彼の「リーダーシップ」という本に詳しく書かれている。経営に興味がある人にはオススメである。

(つづく)

環境は人を創る!(第1回)

毎日、学校の周りのゴミ拾いをしている。田んぼに囲まれた田園地帯。ゴミはもともと多くない。たまに落ちているのはタバコの吸い殻とコンビニで買った食べ物の包みやコップ。バケツと火ばさみを持ってそれらを拾いながらゆっくり歩く。時には田んぼの中にも入っていく。テニスや野球のボールが田んぼに入って、農家の人には迷惑をかけているので、せめてものお返しである。

自分は気がつく方ではない。だから、きれいにかたづけていつも同じ状態を保つ。同じ状態にしておけば、何かあればすぐにわかる。そうやって小さな変化を見逃さないよう心がけてきた。

きれいにしておけば、気持ちがいいし、やる気も出る。何よりきれいにしておけば、汚そうという人は出てこない。本校には、玄関や中庭、グラウンドの花壇を花でいっぱいにしてくださる方がいるので、来校される方を気持ちよく迎えられる。大変ありがたいことだし、なかなかできることではない。(つづく)

 

校長室の扉をたたく!(最終回)

3年生にとって進路は大きな問題だ。

昨年は、授業料の無償化が後押しとなって、私立高校に人気が集まり、しかもどの私立高校も定員を超えて合格者を出したため、ほとんどの県立高校が募集定員に達せず、大きな穴があいた。

受験者数が定員を大きく超えたのは、藤島高校、高志高校、武生高校の3校しかない。推薦制では人気があった福井商業高校も試験制では、定員に満たない学科があり、2次募集が行われた。

この私立志向は全国的な傾向である。来年のことを予想することは難しいが、このまま私立志向は続くけれど、県立高校への揺り戻しがあると思っている。

これまでの経験から、多くの県立高校は、真面目に授業を受けて、課題をきちんとやっていれば合格できる学力は身につく。合否を決めるのは、最後まで努力し続けられるかだ。推薦で合格が決まる、私立高校に進学する、と周りの友達の進路が確定していく中で、自分だけが最後の最後まで(3月まで)勉強を続けていくのはつらい。つらいから、あきらめてしまう。校長室の扉をたたく生徒は、そのつらさに耐える覚悟ができているし、途中であきらめないよう、退路も絶っている。入試には、短いながらもその生徒のそれまでの人生があらわれている。

未来への扉は、いつでも開いている。あとは、いつ、だれがその扉をたたくかだ!(了)

校長室の扉をたたく!(第4回)

高校へ行くと数学はなおさら、重要になる。

学年が上がると数学が伸びない生徒は、計算力がない。計算問題を解かないとスピードはつかず、ひらめきも生まれない。小学生からの積み上げが大きく影響する教科だ。

その一方で数学は、不登校生徒の自信をつけるのに役に立つ。

もうずいぶん前の話だけれど、小学校4年ごろから不登校の生徒がいた。たまたま、中2の時、担任になったので勉強をみてあげることにした。空き時間に、母親に頼んで生徒を学校に連れてきてもらい、40分ほど勉強を教えた。選んだ教科は数学。小学校の計算問題から復習できる薄目の問題集を選び、毎日解いていく。

数学を選んだのには理由がある。数学は、できた、できないがはっきりしているから、ひとつ解けるととてもうれしい。やりがいがある。

その生徒は真面目な生徒だったので、計算問題が解けるようになって自信をつけ、中3の4月からは教室に入るようになり、他の教科の成績も上がって、高校に合格した。(つづく)

校長室の扉をたたく!(第3回)

男子と女子の違いは、他にもある。

男子は2、3年生になって成績が伸びるということがあるけれど、女子は学年が上がるにつれて伸びるということはあまりない。だから、1年生で貯金する(成績を上げておく)ことが大切だ。授業をきちんと受けて、宿題や課題を真面目にやる習慣をなんとか身につけておきたい。

女子は文系教科が得意と言われるけれど、社会、特に公民が得意な女子はあまりいない。数学が苦手な女子も多い。高校受験で合否を左右するのはいつでも数学である。県立高校入試では、英検3級や準2級で5点の加点があったけれども(来年度から廃止)、加点の5点よりも、数学の1問の方が、合否に影響がある。(余談だけれども、今年の入試は数学が難しかったので、数学で差がつかず、数学が苦手な生徒に有利な入試だった。)(次回につづく)

 

校長室の扉をたたく!(第2回)

男子と女子、同じような実力で、同じ高校を目指していても、合格に向けて立てる戦略は、全く違う。

男子は、火がつくまでは時間がかかるがいったん火がつけば、自分で燃える。だから火がつけば、あとはあまり手間はかからない。一方、女子は火はすぐにつくけれど、ろうそくのような火なので、こまめに見てあげないとすぐに消えてしまう。だから、火を消さないようにこまめなアドバイス(励まし)が欠かせない。

今回も男の子にはさしあたって必要なことをアドバイスして、あとは会った時に、「がんばってるか。困ったことがあったら来いよ。」とか、「風邪をひくなよ。」とか言うくらいで、何もしてはいない。

女子は、そうはいかない。女子には「こまめにおいで。」と言って二日おきぐらいの間隔で必ず会う。

会ったら、質問に答えながら、うまくできた部分をほめて、できなかったところは話題にもせず、「ここができているから、大丈夫。」とか、「あせるな。時間はあるからゆっくりやろう。」というような言葉をかける。

女子は、気持ちが落ち込みやすい。だから落ち込まないように、気持ちが安定するように、必ず声をかける。

男子はいかに火をつけるか、女子は精神面をいかに安定させるか、に重点をおくことになる。

(次回につづく)

 

生徒の皆さんへ

学校に登校しなくなって、2週間以上過ぎました。学校のない生活はどうですか? 最初は、いいと思っていたけれど、学校がないとヒマだと思っている人も多いと思います。当たり前が当たり前でなくなると、学校があるありがたさもわかってもらえるのではないでしょうか。25日、26日は登校日なので、そろそろ体を慣らしておいてください。

さて、勉強はしていますか? 特に2年生は、いよいよ3年生で受験の年です。受験は、早く準備を始めた人が圧倒的に有利です。早い人は小学校のときから、または中学校に入学したときから、高校進学のための勉強を始めています。3年生になった瞬間、ピストルが鳴って、「よ~い、どん」と、受験レースが始まるわけではありません。気づいた人から走り出しています。

皆さんは、入りたい高校は決まっていますか? 今の状態で大丈夫ですか?

学校が休みなので、自由になる時間はたくさんあります。その時間をどのように使うか、考えてみましょう。今が一番、勉強に打ち込めるときで、一番成果があがるときです。

校長 湯口 和弘