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カテゴリ:教員コラム

大東中学校区全体研修会が行われました📝

大東中学校区全体研修会が行われました。

これは、校区の小学校と中学校の教員が一堂に会し、児童生徒の9年間の教育について学ぶことをねらいとしています。

今年度の中学校区教育のテーマは『学びとつながる、人とつながる、心がつながる学校づくり』です。

「授業づくり部会」と「心づくり・体づくり部会」の2つの部会にわかれて研修を重ねていきます。

1年間、子どもたちの発達段階に寄り添いながら、教育活動を進めてまいります。

 

教育実習が始まりました🧑‍🏫

本日より、福井大学から教育実習生が8名が、大東中学校で2週間の実習をします。

名古屋芸術大学からは、先週から3週間の実習で1名の実習生が参加しています。

全員、爽やかな希望に満ちた面持ちで実習に取り組もうとしています。

1時間目は、校長からのお話しがありました。真剣な表情で話を聞いています。

教職の大変さだけでなく、充実感や達成感など良さを感じ、ぜひ教職の道へ進んでほしいと思います。

 

 

 

 

もうそろそろです。

グランド脇の紫陽花の花がもう少しで、咲き誇りそうです。

昨日の雨で、花壇の草花はいきいきとしています。

梅雨の雨は鬱陶しいですが、紫陽花の花は好きです。

中庭のお花がきれいに咲いています🌺

地域の方がお世話をしてくださっているおかげで、今年も中庭の花がきれいに咲きました。

赤やピンクや黄色のバラをはじめ、たくさんの花が満開です。

水草のつぼみも大きくなりやがて開こうとしています。

今年は、イチゴも仲間入りしました🍓。

季節毎に色とりどりの花が咲き、それを眺めていると、私たちの心もきれいになっていくようです💖

 

花壇のお世話ありがとうございます🌺

生徒玄関、南校舎のグラウンド側、中庭の花壇には、地域の方がボランティアでお花を植えてくださっています。

南校舎側の花壇には、今、ユリ、スノーポール、チューリップなど(冬はスイセン・・・)が咲いています。

今日は、草取りをしてくださっていました。

暑い中、私たちのためにありがとうございます💞

 

『家庭・地域・学校協議会』が行われました。

『家庭・地域・学校協議会』が行われました。

この会は、保護者や地域の皆さんに学校運営に参画してもらい、子どもたちの豊かな成長と健やかな育ちを支えていただくことを目的としています。

まず、明日開催される『立志式』のリハーサルの様子を参観していただきました。

力強く迫力のある合唱に感激され、練習でありながら拍手が湧き上がっていました。

次に、1年間の学校の取組、生徒の様子について情報交換しました。

今年は、4年ぶりに各地区で体育祭、文化祭、ふれあい祭り等が開催され中学生も参加しました。

会では、「来年も、地域を元気にするために、中学生の皆さんにぜひ参加してもらいたい。」という御意見をいただきました。

雪の中の登校風景 ☃️

今日は、雪の影響で登校時間を1時間遅くしました。

校区が広域であり、生徒の徒歩通学や安全面に考慮して、このようにしました。

初めは寒かったのですが🌨️、お日様も出てきて🌞 爽やかな朝の登校風景になりました。

大活躍!!「全校都道府県対抗駅伝」🏅

第42回全国都道府県対抗女子駅伝が、14日に京都市のたけびしスタジアム京都を発着点とする42.195kmのコースで行われました。

本校から、2年生の寺田小雪さんが、福井県代表として出場しました。

寺田さんは、8区3kmを10分59秒の記録で快走しました。

福井県も、昨年を上回る35位という輝かしい成績を収めました。

走り終わった後、

「全国の舞台に立てて、楽しかったです。来年も出場できるように、これから練習を頑張っていきたいです。」と話してくれました。

寺田さん、そして代表チームの皆さん、福井県を盛り上げてくれてありがとうございます!

これからの活躍を楽しみにしています!

 

ALTの先生からの贈り物🎁

あっという間に、今年も終わりに近づいてきました。

あと3日で、冬休みになり、クリスマス、大晦日、そして新年を迎えることになります。

本校の校舎内にも、冬の季節を感じる掲示物や装飾が見られるようになり、その一部を紹介します。

生徒玄関前に、ALTの先生が作ってくださったデコレーションがあります。

手造りの可愛らしいオーナメントをながめていると、幸せな気持ちになります😊

エミリー先生からのメッセージです。👩‍🏫

Winter is my favorite season, so I am glad to share Christmas joy with Daito Junior High School.

I hope everyone has a Merry Christmas and a Happy New Year! 🎄

 

 

校舎外壁工事の中間報告👷‍♂️

本校は、夏休みから、校舎の外壁改修工事と屋上の防水工事を行っています。

工事の期間は、今年度いっぱいの予定です。

校舎には、工事のための足場が設置され、飛散防止ネットがかけられています。

外から見ると中は暗いように感じますが、結構光が入り教室や廊下は明るいです。

現在は、体育館、北校舎、生徒玄関の作業が終わりに近づき、ネットが外されつつあります。

地域の皆様には、御迷惑をおかけしていますが、御協力よろしくお願いします。

間もなくリニューアルした大東中がお目見えすると思います。

新装した大東中学校を楽しみにお待ちください!

 

今日(10/31)は「Halloween」ハロウィン♪♪

 毎年、秋になると日本でも盛り上がりを見せているイベント「ハロウィン」夜

昔は、収穫物を集めて盛大に行うお祭りだったそうです。

現在は、世界各地で親しまれているイベントになりました。

本校でも、ALTの先生がパネルにデコレーションをし、生徒の皆さんのために廊下を楽しくにぎやかに飾ってくださいました。

 

 

令和3年度スタート

令和3年4月1日。青空からの優しい日差しとさわやかな風の下、新年度をスタートさせることができました。

まずはそのことに感謝したいと思います。そして、私達と共に大東の伝統や文化の継承・創造に力を注いでくださった、卒業生のみなさん、この3月にご勇退・ご栄転された先生方、保護者の皆様に感謝申し上げます。

今日から始まった新しい大東中学校の歴史。新しく加わった12名の先生方と力を合わせ、子どものために全力で教育活動に取り組んでいきます。保護者の皆様・地域の方々、ご支援・ご協力よろしくお願いいたします。

校長  水野克己

 

校長室で・・・!

昨日、帰りがけに

「プリントやったんで、見ておいてください。明日来ます」

「わかった。見とくわ」

そして、今日・・・

「マルつけたぞ。だいぶ、できるようになったな」

「・・・」(にっこりしている)

「この Q and A やけどな。When was gyogen started? の was gyogen started って問題文にないか?」

(しばらく探す)

「あった!」(思わず大声が出る!)

「その続きが答えや」

「なるほど」

「簡単やろ」

マンツーマンで勉強をみていると、その生徒に合わせて説明ができる。わかった実感は教える方にも伝わってくる。一対一だから、時間がかかるように見えるけれども、その生徒に合わせているからムダはない。もっと多くの生徒が質問するようになると、学年が盛り上がるし、成績も上がる。どんどん質問しよう!

がんばれ、3年生!

 

 

 

今日の大東中学校!

今日はとても暖かい日です。外のそうじをするにはとてもいい日でした。学校がきれいだと生徒も落ち着きます。

さて、三者懇談会が終了し、実力テストまであと3週間となりました。年が明ければ、推薦や特色選抜、スポーツ文化選抜の試験を皮切りに入試が始まります。毎日ブログを書きながら、この時期、どうやったら一番成績を上げることができるだろうか?と考え、3年生へのアドバイスを考えていました・・・

で、思いついたのは「一日3つ以上質問をする」または「友達の質問に一日3つ以上答える」でした。成績を上げるには質問をするのがいいということは、何度も話をしています。もうひとつの「友達の質問に3つ以上答える」というのを勧めるのは次の理由からです。人に説明するには自分がわかっていないといけません。説明するうちに自分の考えがまとまり、知識が定着します。また、最近の入試では記述問題が増えています。記述問題の対策こそ、人に教えるということです。質問1つ1点分の値打ちがあります。3つで3点。今日を含めて、テストまでに学校に来る日は15日。最低45点アップのチャンスが皆さんにはあります。どうです。やってみませんか?

コロナウイルス感染症が終息した後

全国一斉に学校が臨時休校になってから、7ヶ月が過ぎた。コロナウイルス感染症に対する知識は増え、以前ほどは怖い病気だとは思わなくなった。しかし、ひとたび感染者が報告されれば、当初の2週間からはずいぶん短縮されたものの、最低4日間は生徒を学校に呼ぶことはできない。未だ手探り状態でおそるおそる行事を行い、地域へ学習に出かけることもままならない。それはあたかも濃い霧の中を走る車の運転手に似ていて、目を凝らしてライトの照らす先を見つめ、ビクビクしながら運転する姿と重なる。しかし、コロナウイルス感染症が終息して、目の前を覆う濃い霧が晴れたなら、あたりの風景は一変しているにちがいない。

ユニクロの柳井正さんは「今後10年で起こる変化が1年で起こる」と話していた。このコロナ禍で、なかなか変われない学校も変わらざるを得ない。中学校では、働き方改革が最重要課題だ。本校もやれることからやってみた結果、毎日夜遅くまでついていた職員室の明かりは午後8時には消えるようになった。土日に学校で仕事をする教員は目に見えて少なくなった。働き方改革を左右するのは部活動だ。そこでも激論の末、地区の春季強化大会は令和4年度から開催されない。そして令和5年度に向けて、部活動の中心は学校から地域へと移行していく。

月の残業時間を80時間以内に収めようとすれば、平日遅くまで残って仕事をし、土日は部活動というようにはならない。これが月の残業時間が45時間以内となれば、5時過ぎに学校に電話をすると「本日の業務時間は終了しました」という声が流れてくるようになる。これはもう、どこでも当たり前のことだ。思えば、30代の前半は午後6時半に部活を終えたあと、出前をとってヨーロッパ軒のカツ丼を食べ、12時頃まで仕事をして家に帰り、翌朝7時には学校にいた。土日は午前6時に駅集合。練習試合をして午後6時に駅解散だった。あれから約25年。遅ればせながら学校もやっとまともになってきた。SDGs(持続可能な開発目標)は国連が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標だけれども、持続可能な働き方は学校にこそ求められるものだ。

 

いよいよ、花が開く!

初めてやってきたのは夏休みに入る頃だった。

「先生、英語教えてください」

すぐにこれまでのテストの結果を調べて、英語ができるようになるまでの手順を考えた。

「じゃ、まずこの単語を覚えろ」と言って本屋で買った単語のカードを渡した。

カードは約1000枚。100枚ずつ、リングに通して

「これ、覚えたらおいで」

何日かして、「覚えました」

「じゃあ、テスト」「よし、合格」「次の100枚」という風にやっていたら、8月でほとんど終わった。

だいたい覚えたので、「次は英訳やってみるか」

最初はもちろん、覚えた単語と英文が結びつかない。だから、英語の文の仕組みを教える。

「英語はまず主語(誰が)、そして動詞(どうした)、そして何を。あとは、どのように、どこで、いつ」

「主語は丸で囲って、動詞には波線。in や on、at の所に / を入れるんだ。そうやって、細かくしていけば、わかりやすくなる」

そんな風に一文一文訳しながら、1ヶ月が過ぎた。いつのまにか第47問まで進んだ。

そして今日。

「おっ、いいぞ。うまく訳している」

「ちょっと見えてきました」

「じゃ、学力診断テストの過去問、見せてみろ」

「まだ、全部解いていません」

「いいから、見せてみろ」

「おおっ、できてるやないか。この調子や!」

もう2ヶ月以上、空き時間を見つけては、定期的に校長室にやってきている。単語をしっかり覚え、意味をつかむコツを学んだから、内容がわかる実感がもてるようになった。あとは、過去問に取り組めばいい。ここまでくると、雪だるまが坂道を転がって自ら大きくなるように、どんどんわかるようになる。教える方も成長が実感できるから、なおさら気合いが入る。

2ヶ月前に蒔いた種がいよいよ花開く! 

どんな色の花を咲かせるのか、楽しみはつきない。やっぱり、教員はハンターではなく、ファーマーだ。

まずは、試してみる!

人は「見たり」「聞いたり」「試したり」、この3つが大事なのだが、多くの人は「見たり」「聞いたり」ばかりで「試す」ことをほとんどしない。試す場合は失敗がつきもの、しかしそれを恐れていてはダメだ。みんな、怖くて試さない、それをやるんだ 

こう語ったのは、ホンダの創業者 本田宗一郎さんだ。試す時には失敗がつきものだけど、失敗する前から批判や非難がやってくるから、それが怖くて試すのをためらう。練習試合は本番の大会で勝つためにいろいろ試してみる機会だから、時にはうまくいかずにボロ負けすることもあるはずだ。でも、その練習試合でさえ「負けるな、パーフェクトゲームで勝て」と無言の圧力をかけてくる。結果にこだわって、人の成長を長い目では見てくれなくなった。でも、「勝てば自信がつくが、負けた時ほど学ぶことはない」ことを忘れている・・・ 

ある生徒との会話

「この前のテスト、数学がボロボロでした。時間がないと分かったら、急に頭が真っ白になってしまって」

「犠牲を最小限に抑える方法を考えるいい機会だな」

「どうするといいですか」

「例えば、5分たっても解けない問題はとばすとか、得意な問題に時間をかけて解いて、80点のうちの65点を確保し、あとは1点でも多く稼ぐ方法もある。やみくもに1番から順番に解くのはオススメしないな」

「なるほど」

「そもそも、君ができなかった問題。みんなが解けないなら、できなくても差はつかないよ。そう考えれば、あっさりあきらめて次に進んだ方がよかったかもしれない。昔あったな、誰も解けなかった問題」

「へえ〜。あったんですか、そんな問題」

こんな会話は、テストで失敗した時しかできない。本番じゃないんだから、失敗してもいい。自信は失うかもしれないけど、学ぶことは多い。だからそれを生かせばいい。いつも勝ち負けだけを気にしていたら、勝てずとも、一方的な防戦をなんとか堪え忍んで、引き分けに持ち込む方法など身につくはずがない。人は負けたときや失敗したとき、より多くのことを学ぶのだ。だから、試してみることが大切だ。

あと一本!(はじける瞬間)

剣道や柔道は競技人口が少ないので、1つのチームに経験者が3人以上そろうことは滅多にない。団体戦は5人でひとチーム。経験者2人が強くても、チームが必ず勝てるわけではない。2人が圧勝しても残りの初心者3人が負ければ、2対3で必ず負ける。勝つためには、3人のうちの少なくとも1人が、勝つか引き分けに持ち込まなければならない。今日の女子の団体戦も中学から始めた3人のうちの1人が、粘りに粘って引き分けたおかげで、決勝トーナメントに進出し、3位入賞を果たすことができた。そして、別の初心者もとてもいい剣道をしていた。前へ前へと足を運び、大きな声を出して面や籠手を狙って竹刀を振る。「なんとか一本取ってほしいなあ」と思いながら試合を観ていた。その時ふと、柔道部の顧問をしていたときのことを思い出した。
その学年は5人いて、先鋒の軽量級の生徒は、小学校の県チャンピオンだった。中堅の中量級の選手も小学生の時から柔道を始め、中3の春には県ベスト4の実力があった。もう一人は、経験者ではあったがそれほど強い選手ではなく、残りの二人は中学校に入ってから始めた初心者だった。一人は70kgほどの体重で身長も170cm近くあったが、寡黙な生徒で人と話をしている姿はもちろん、笑った姿も見たことがない。もう一人は体重は100kg近くあり、身長も180cmぐらいあったが、色白のおとなしい生徒で、柔道を選んだ理由がわからないような生徒だった。
柔道の練習相手は、自分より体が大きくて体重の重い選手がいい。だから、軽量級の県チャンピオンは中量級の寡黙な生徒を練習相手に選び、中量級の選手は重量級のおとなしい生徒を選ぶ。体格は大きくても、経験には勝てず、素人の二人はいつも投げられ、 押さえ込まれ、寝技をかけられていた。それでも二人は休むことなく練習を続けていたが、練習相手にされるのは嫌だっただろうし、何度も部を辞めたいと思ったに違いない。
そんな練習が毎日続き、3年夏の地区大会を迎えた。団体戦の準決勝。いつものように経験者二人が勝ち、初心者と少し経験者の二人が負け、2勝2敗で大将戦となった。こちらの大将は体は大きいがおとなしい初心者の彼。相手はその前の県大会で3位入賞。夏の県大会では優勝と全国大会出場を狙っていた。力の差は歴然で、試合開始から一方的に攻められた。途中、相手が技をかけそこない、二人ともひざまずきなから倒れた。相手は攻めてこないと思ったのか、首に隙ができた。すかさずコーチが「絞めろ!」と声をかける。彼は相手の柔道着の襟をつかみ、絞めにかかる。「回れ、回れ」とみんなが声をかける(回るとうまく首が絞まる)。顔を真っ赤にして必死になって回ろうとしていたら、あっさり相手が彼の肩をたたき、ギブアップした。「やったな」「決勝進出や」既に勝った二人が声をかける。おとなしい彼は何も言わず、ただにっこり笑う。2年間の努力が見事にはじけた瞬間だった。もう一人の寡黙な初心者も個人戦で3位入賞、県大会に出場した。
「努力は人を裏切らない」・・・。その瞬間を見て、思わず涙が出そうになった。
そして今日。一生懸命足を動かし、技を繰り出し、何度も何度も一本を取りに行ったが、団体戦では出なかった。でも近いうちに必ず一本取り、この初心者女流剣士もブレイクするに違いない。必死で取りにいった一本が自信となり、固く閉じていた扉が一気に開いて、すばらしい景色が見えるはずだ。願わくば、その瞬間に立ち会いたいものだ。

がんばれ、大東中学校!

人にめぐりあう幸せ(その2)

先週の日曜日、啓新高校ソフトボール部との合同練習があった。あいにく朝から雨が降り、グラウンドの状態は良くない。しばらくして雨が上がり、合同練習が始まった。

啓新高校の女子ソフトボール部は三国高校と並んで、県内トップの強豪校である。ボール回しをしていても、球は速く、ビシッといい音がしてボールがグラブに収まる。大東の生徒も頑張っているが、まだまだ力不足は否めない。そうこうしているとシートノックが始まる。高校生は機敏な動きだが、大東の三遊間も負けてはいない。守備範囲も広く、足の運びもいい。なかなかやるなあと感心して見ていた。他のポジションの生徒も必死でボールに食らいつく。簡単なエラーはしない。練習試合でも、なかなか点を取られないのがわかるような気がする。そのうちに大東中の生徒をランナーにして、より実践的な練習が始まった。すると、大東のコーチが一人一人に走塁のコツを身振り手振りで教え始めた。ひんぱんに声をかけ、うまくいった時は大声で褒め、生徒をその気にさせていく。うまいものだ。そんな練習がかれこれ30分以上続いた。

最近、走塁が上手くなったと思ったが、その秘密が解けたような気がした。中学女子のソフトボールは初心者も多いから、ピッチャーが打たれて点を取られることより、四球やエラーがからんで点を取られることが多い。大東の練習試合を見ていると、四球やエラーで出塁したランナーが、いつのまにか3塁にいることがよくある。相手のミスを見逃さず、「私も次の塁を狙えたよ!」と楽しんでいるような気さえする。この姿を見て、ふと思い出したのが「弱くても勝てます 〜開成高校野球部のセオリー〜」という本だった。二宮和也が主演のドラマにもなったから、覚えている人もいるかもしれない。開成高校は毎年二百人近くが東京大学に合格するという日本一の進学校である。その野球部が自校のグラウンドで練習できるのは週1回。それも3時間ほどの練習で、東京都大会でベスト16入りを果たして大きな話題になった。監督は「(他の強豪校と)同じことをしていたらウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです」と言い切る。「守備は以外に差が出ない」と割り切り、練習時間のほとんどを打撃練習に当てる。

勝とうと思ったら、相手より点を取ればいい。四球やエラーは必ずあるから、貪欲に塁を進めれば点が入る確率は高くなる。ランナーが3塁にいれば、ピッチャーは緊張し、キャッチャーがボールをこぼせば点が入る。走塁が上手になったのは、コーチの、普段からの細かい指導の賜物か、と納得した。とにかく、果敢に次の塁を狙う。この日も高校生の守備の隙を突き、次の塁を狙わせ、うまくいったら大きな声で褒め、失敗は問わない。この人はさすがだなあと思った。

そもそもコーチは福井国体の選手で、国体の遺産を生かすために福井県が大東中に派遣してくれた指導者である。中国には「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」という言葉がある。いかに才能のある人がいても、それを認めて用いてくれる人は少ないという例えであるが、彼は生徒の力を引き出すのが実にうまい。そして、素人集団が勝つための、最善の方法を生徒に教えて、実践させている。なかなか得難い人物である。できるだけ長く大東中に関わってくれることを切に願っている。