カテゴリ:教員コラム
集中力を生むために!
NHKに羽佐間正雄さんという名スポーツ・アナウンサーがいた。かつて圧倒的な強さで、帝王と呼ばれ、史上最高のゴルファーと称されたジャック・ニクラウスさんへのインタビューがおもしろいので紹介する。
そこで、私は集中力を生むためには何が重要かを質問した。
「それは努力です。」
日本人とおなじようなことを言うなと思いながら、私はさらに聞いた。
「二番目には?」
「二番目に必要なのは、努力ですよ」
「では、三番目は?」
「三番目は努力ですね」
「では、四番目はなんですか」
やっとニクラウスは答えを変えた。
「それは、みなさんが想像もできないような努力です。人が考える二倍も三倍もの努力です。それだけの努力を積み重ねてきたら、そこではじめてどんな人もどんなことに対しても、自信のようなものが芽生えてくるはずです。その自信が芽生えたあとに、初めて集中心がやってくるんです。自信という裏づけがあって、初めて集中できるようになるんです。
努力を支えるもの、それは最終的には強い志に他ならない。(「実力とは何か」1987年)
学校は花でいっぱいです。
年々歳々花相似たり (毎年毎年、花は変わることなく咲くけれども)
歳歳年々人同じからず (毎年毎年、人の顔ぶれは変わっていく)
という、中国の詩を思い出します。
中学生にオススメの本!(第1回)
砂糖の世界史 川北 稔著 岩波ジュニア新書276
砂糖という、誰もが好む甘くて白いモノに取り上げて、世界史の流れをダイナミックに描く。砂糖をつうじて歴史をみることで、2つの大切なことがわかるという。ひとつは各地の人びとの生活の具体的な姿。もうひとつは、世界各地のつながり。砂糖の歴史を語ることでイギリスの紅茶文化やアフリカの奴隷の歴史、中央アメリカにある島々の地理、アメリカの独立の経緯などがスッキリ理解できる。岩波ジュニア新書が発刊されて今年で41年。この本は過去10年間でもっとも売れている本らしい。読み終えてみるとなぜ売れているのかがよくわかる。オススメの本だ。
英語を学ぼう!(第4回)
次にやることは、文のしくみを理解することだ。
多くの英文は、誰が+どうした+何を+どのように+どこで+いつ、という順で単語が並んでいる。その語順をつかめれば、理解しやすくなる。語順中心の英文の理解は、英語の先生に聞くのが一番。2週間も通えば、大抵の生徒が理解できるし、身につけておけば、一生役に立つ。英語の苦手な人はぜひ、やってほしい。
語順をつかむことができたら、次は英文をみて、意味のまとまりで複数の単語をひとくくりにできると、さらに理解が進む。英語の単語は、一つ一つの単語も大事だけれど、2つ以上の単語が組み合わさる方がもっと大切だ。ここまでできれば、あとは実践あるのみ。どんどん英文を読んでいこう。リスニングをしよう。英語が直接頭の中に入ってくるはずだ。
生徒の皆さん、教科書を読み始めましたか?
学校再開まで、あと3週間、21日間、504時間です。チコちゃんに、「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られないように勉強し、体を鍛えていますか?
今日も朝から学校の周りをランニングする高校生がいました。ぼーっと過ごさないように、一日のスケジュールを立てて、生活しましょう。ポイントは、毎日の日課を見える化することです。
Today(生活ノート)が配られています。それには、一日の生活を書く場所があります。そこに今日することを書きましょう。必ずしてほしいのは、勉強と体を鍛えること。やったことを記録して、日課を見える化(見たらわかるように)します。勉強は1時間とか2時間というようにはしないで、数学のテキストを1ページとか数学の問題を10問というように具体的にします。何でもそうですが、気分が乗ってくるまでには、時間がかかります。だから、最初は自分の好きな教科から始めるといいでしょう。必ず形に残すこと、そしてそれを家の人に見てもらいましょう。家の人には、子どもがやったことを、ほめる、ねぎらう、認めるの3つをお願いします。それから、スケジュールは必ず、子どもに決めさせてください。押しつけてもどうせやりはしません!
3年生は、数学と英語は毎日やった方がいいです。前にも言いましたが、数学は受験の合否を左右します。英語は、急に成績が上がる教科ではありません。毎日、30分ぐらい時間をかけてやらないとなかなか成果が見えません。(英語の成績を上げるとっておきの方法を教えましょう。それは、新しい教科書の英文をノートに写して、面倒だったらコピーでもいいです。それをノートに貼って、一文一文日本語に訳していくことです。わからないところは飛ばしてもいいです。学校が始まったら、先生に聞きましょう。これは確実に成績が上がります。)
1年生はぜひ、教科書を読んでください。国語や歴史の教科書は、最後まで読み通しましょう。数学は教科書の例題を解いてみてください。今、勉強しておくとよいスタートを切ることができます。特に女子は今、勉強の貯金をしておくと、3年生になっても困ることはありません。1年生は基礎英語を聞いてください。英語は一生役に立つ資格のようなものです。
2年生は、1年生の復習をしておくといいでしょう。2年生も基礎英語を聞いてください。来年、英語は急に難しくなります。でも、今から準備しておけば、大丈夫です。
ストレスがたまったら、外に出て散歩しましょう。いい気分転換になります。バケツでも持ってゴミを拾えば、地域の人に感謝されます。そんなことも考えてみるといいですね。みんなで力を合わせて、この大変な時期を乗り越えていきましょう。「ぼーっと生きていてはだめです。」
英語を学ぼう!(第3回)
小学校で楽しく勉強してきた生徒が、中学校で英語が嫌いになるのは、英単語を書かなければならないからだ。
発音と単語のつづり(スペリング)には決まりがあるようでないし、数も10ずつ増えていく感じなので、覚えても覚えても追いつかない。英単語をみて意味が浮かばないと、意味のわからない単語だらけになって、何が書いてあるのかさっぱりわからない、わからないから楽しくない。そう思っている間にも習う単語が増えていくから、ますますわからなくなり、やる気を失ってしまう。
しかし、単語が書けないとダメなのかというと、実はそんなことはない。英単語をみて、発音ができ、日本語の意味が浮かべば、十分である。意味がわかる単語が多ければ、英語がわかるようになるまでにはそれほど時間はかからない。今はすぐれたアプリもたくさんあるから、それを使えば、昔みたいにひたすらノートに単語を書きまくって覚えなくてもすむ。
英語が苦手な生徒は、単語のつづり(スペリング)をみて日本語の意味が言える単語を増やしていくといい。つづりは覚えなくてもいいから、英単語を見て発音して日本語の意味を確認することを繰り返す。単語の意味がわかれば、英文の意味もわかるようになる。だから、第1回で基礎英語を聴いてほしいとお願いしたのは、聴いてまねをして発音しているうちに単語を覚えてしまうからだ。単語は7回見ると覚えてしまうという研究例もある。
まずは、リスニングのシャワーを浴びることだ。だから、基礎英語を聴こう!(つづく)
受験勉強の第1歩!
今日は、3年生に教科書を配っています。1,2年生とはちがって、3年生には5教科のテキストも配りました。このテキストを使って、受験勉強を始めてほしいからです。受験勉強というと、何か特別なことを考えがちですが、今はできるだけ、1,2年生の復習をするといいです。テキストを開いて範囲をみて、自分の興味があるところから始めるといいでしょう。最初からやろうとすると、すぐに行き詰まります。まずは、興味のあるところから手をつけましょう。(テストを配ると、1番から順にやろうとする人が多いですが、本当は自分の得意な分野からやる方が落ち着いてテストに臨めます。)
問題を解いていくとできない問題が出てきます。できない問題をできるようにすることが受験勉強です。生徒の様子を見ていて、一番効果がないと思うことは、できなかったらすぐに赤ペンで解答を写すということです。これをやり続けても成績は上がりません。それより、5分考えてできなかったら、そのままにしておいてあとで先生に聞く、または別の日にやってみるのがいいでしょう。できなかったら飛ばして次の問題に移る。赤ペンで答えを書いてしまうと、もうその問題は見ません。できなかったら、何度でも繰り返して解き直せるようにノートに書いていくのもいい手です。教え子もなかでもっとも成績が良かった生徒は、付箋(ふせん)を貼って同じ問題を3回解いていました。問題集を解くときは、自力で解けたか、解けなかったかをはっきりすることが大切です。
英語を学ぼう!(第2回)
実は、令和3年度から中学の英語はとても難しくなる。使われる教科書が難しくなるからだ。新しい教科書は、小学校で英語活動に慣れ親しんだことを前提に作られている。
まず、中学卒業までに学ぶ単語が増える。現在の教科書では1200語程度だか、新しい教科書では1600語〜1800語。これに小学校で学んだ600語〜700語が加わって、2200語以上になる。これだけ学べば、日常会話の90%以上はカバーできる。英英辞典は約2000語ですべての単語を説明しているから、英英辞典も使えるぐらいの単語数だ。そして、英文がどんどん長くなる。長い英文を速く正しく読み取ることが求められる。加えて、「使える英語力」ということで、「即興」での言語活動が増える。インタビューをしたり、スピーチをしたり、授業の中で話す機会が増えていく。
今までの教科書とのギャップが大きくて、来年の3年生、2年生は英語が難しいと感じる生徒が増えるはずだ。(つづく)
英語を学ぼう!(第1回)
英語が話せたら、楽しいことばかりだ。外国はどこでもいけるし、英語の歌も歌えれば、映画も楽しめる。世界中の人と話ができる。
どうしたら、うまく話せるようになるだろうか?
確かに英語は簡単に話せるようにはならない。なかには、何ヶ国語も話せる人がいるけれど、たいていの人はとても長い時間をかけている。
英語の学習には順番がある。まずは、リスニングから始めることだ。小・中学生は、NHKの基礎英語を聴くのが一番いい。慣れてきたら、声を出してまねをしてみる。初めはうまくなくても、そのうち上手になるし、意味もわかるようになる。とにかく聴き続けることだ。外国人はカラオケやアニメ、マンガで日本語の勉強をする。みんなも、映画やカラオケ、マンガで英語を勉強するといい。
単語は覚えようとしなくていい。文法を勉強するのは、もっと後でいい。とにかく、聴くことだ。みんなは今、時間がある。NHKの基礎英語を聴いてみよう。(つづく)
生徒の皆さんに提案があります!
学校再開が5月7日以降となり、皆さんには自由な時間がもう1ヶ月あります。この時間はたぶん人生の中で二度とやって来ない自由な時間です。
時間は大変貴重ですが、意識していないとあっという間に過ぎてしまいます。
(3月2日からの1ヶ月を振り返ってみましょう。何をしたか、形に残っていますか?)
そこで、皆さんに提案です。
休みが明けて、「この1ヶ月、何をしましたか?」と聞かれたとき、「毎日、これだけはやりました。」と答えて、家の人や担任の先生に見せられるものを残してください。
「毎日、1時間勉強しました。」では、誰も確認ができません。でも「この問題集を〇〇ページから〇〇ページまでやった。」という形なら、確認ができます。
毎日の生活でも同じです。
「今日は、これをやったから、見てみて。」と言って、やったことを見せれば、家の人も安心するし、皆さんはやったことを積み上げていくことができます。
頭と体を鍛えるために1つずつ選んで、それをとことんやってみましょう。
この1ヶ月をどう過ごすかは、この1年をどう過ごすかにつながり、最終的には自分の人生をどうしたいのか、につながっていきます。新型コロナウイルス感染症の拡大は、マイナス面が大きいですが、中学生一人ひとりに、「君はこの時間を将来の幸せのために、どのように使うの?」と問いかけています。
自分のやったことを形に残し、きちんと記録しておきましょう。そうすれば、あとで後悔することもありません。
追伸
新入生の皆さんは、今日教科書を手に入れました。ぜひ、教科書を読んでください。興味があれば、筆記用具を手にとって、問題を解いてみるのもいいでしょう。教科書を読み終えたら、最強の武器を手にしたと言えます。ぜひ、やってみてください。
環境は人を創る!(最終回)
ビル・ハリスという世界的なセラピストがいる。
彼は言う。「どのようなセミナーでも参加者全体の2%しか学んだことを実行しない。残りの98%は何もしない。皆さんは可能性に満ちた存在であるが、何かを達成するには、実際に行動を起こさなければならない。」
ということは、30人いる自分の学級で、「これをやるといいよ」と力説しても、実行する生徒が1人いれば上々ということになる。
頭を殴られたような気がした。
それからの話は、「君たちは可能性に満ちた存在だから、何かを得たいのなら行動を起こさなければならない」とだけ言うようになった。本をたくさん読むのもやめた。いくら知識があっても行動に移さなければ意味がないからだ。浮かんだアイデアを形にすることにこだわるようになった。「小さなことでもやってみよう」と勧めるようになった。
よくある赤字工場再建物語はトイレをきれいにすること、不要なものを捨てることから始まる。うまくいっていないところは流れがよどんで汚い。だからきれいにすることから始まる。当たり前のことだけど、なかなか行われていないのが現状だ。
よい環境を創れば、人は勝手に育っていく。言うのは簡単だが、それが一番難しい。(了)
環境は人を創る!(第3回)
その学校の様子が一目でわかるところがある。それはどこだろうか?
生徒玄関である。
落ち着いた学校は、下足箱の靴がそろっている。かかとが履きつぶされていない。
トイレがきれいな学校も、間違いなく生徒が落ち着いている。
だから、学校に来ることがあったら、ぜひ生徒玄関の下足箱を見ていただくといい。
落ち着いた生活を送っている生徒は、靴がきちんとそろっているし、履きつぶしたあともない。成績が伸びるかどうかも、靴を見ればわかる。
教育学者の森信三先生は、「学校の再建はまず紙くずを拾うことから。次には靴箱のかかとが揃うように。真の教育はこうした眼前の些事からスタートせねば一校主宰者たる資格なし。」と述べている。しつけは、「ハイの返事」「あいさつ」「はきものをそろえる」の3つで、これだけやれば他のしつけはできるようになるとも言っている。
靴と下足箱には、その学校に通う生徒の心が現れている。(つづく)
環境は人を創る!(第2回)
学年主任になったころから、朝の日課は校舎内をすみずみまで見回ることだった。
ゴミが落ちていればゴミ箱に捨て、トイレットペーパーがなくなっていれば補充し、蛍光灯が切れていれば取り替えた。生徒が登校する前にきれいにしておく。生徒には汚いところ、壊れているところを見せないよう心がけた。
皆さんは「壊れた窓」理論を知っているだろうか?
この理論は「無傷の建物なら石を投げない人間でも、すでに窓がひとつ壊れている建物なら、もうひとつ窓を壊すことには抵抗を感じないし、さらに、次々に窓を割っていくだろう」と考える。
ゴミが落ちていれば、ゴミを落とすことに躊躇はしないし、そのうち落書きなども平気でするようになって、どんどんエスカレートしていく。
そうならないために、小さなことをおろそかにせず、些細な問題が大きな惨事に発展するのを防げ、ということを元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏の本から学んだ。
このことは、彼の「リーダーシップ」という本に詳しく書かれている。経営に興味がある人にはオススメである。
(つづく)
環境は人を創る!(第1回)
毎日、学校の周りのゴミ拾いをしている。田んぼに囲まれた田園地帯。ゴミはもともと多くない。たまに落ちているのはタバコの吸い殻とコンビニで買った食べ物の包みやコップ。バケツと火ばさみを持ってそれらを拾いながらゆっくり歩く。時には田んぼの中にも入っていく。テニスや野球のボールが田んぼに入って、農家の人には迷惑をかけているので、せめてものお返しである。
自分は気がつく方ではない。だから、きれいにかたづけていつも同じ状態を保つ。同じ状態にしておけば、何かあればすぐにわかる。そうやって小さな変化を見逃さないよう心がけてきた。
きれいにしておけば、気持ちがいいし、やる気も出る。何よりきれいにしておけば、汚そうという人は出てこない。本校には、玄関や中庭、グラウンドの花壇を花でいっぱいにしてくださる方がいるので、来校される方を気持ちよく迎えられる。大変ありがたいことだし、なかなかできることではない。(つづく)
校長室の扉をたたく!(最終回)
3年生にとって進路は大きな問題だ。
昨年は、授業料の無償化が後押しとなって、私立高校に人気が集まり、しかもどの私立高校も定員を超えて合格者を出したため、ほとんどの県立高校が募集定員に達せず、大きな穴があいた。
受験者数が定員を大きく超えたのは、藤島高校、高志高校、武生高校の3校しかない。推薦制では人気があった福井商業高校も試験制では、定員に満たない学科があり、2次募集が行われた。
この私立志向は全国的な傾向である。来年のことを予想することは難しいが、このまま私立志向は続くけれど、県立高校への揺り戻しがあると思っている。
これまでの経験から、多くの県立高校は、真面目に授業を受けて、課題をきちんとやっていれば合格できる学力は身につく。合否を決めるのは、最後まで努力し続けられるかだ。推薦で合格が決まる、私立高校に進学する、と周りの友達の進路が確定していく中で、自分だけが最後の最後まで(3月まで)勉強を続けていくのはつらい。つらいから、あきらめてしまう。校長室の扉をたたく生徒は、そのつらさに耐える覚悟ができているし、途中であきらめないよう、退路も絶っている。入試には、短いながらもその生徒のそれまでの人生があらわれている。
未来への扉は、いつでも開いている。あとは、いつ、だれがその扉をたたくかだ!(了)
校長室の扉をたたく!(第4回)
高校へ行くと数学はなおさら、重要になる。
学年が上がると数学が伸びない生徒は、計算力がない。計算問題を解かないとスピードはつかず、ひらめきも生まれない。小学生からの積み上げが大きく影響する教科だ。
その一方で数学は、不登校生徒の自信をつけるのに役に立つ。
もうずいぶん前の話だけれど、小学校4年ごろから不登校の生徒がいた。たまたま、中2の時、担任になったので勉強をみてあげることにした。空き時間に、母親に頼んで生徒を学校に連れてきてもらい、40分ほど勉強を教えた。選んだ教科は数学。小学校の計算問題から復習できる薄目の問題集を選び、毎日解いていく。
数学を選んだのには理由がある。数学は、できた、できないがはっきりしているから、ひとつ解けるととてもうれしい。やりがいがある。
その生徒は真面目な生徒だったので、計算問題が解けるようになって自信をつけ、中3の4月からは教室に入るようになり、他の教科の成績も上がって、高校に合格した。(つづく)
校長室の扉をたたく!(第3回)
男子と女子の違いは、他にもある。
男子は2、3年生になって成績が伸びるということがあるけれど、女子は学年が上がるにつれて伸びるということはあまりない。だから、1年生で貯金する(成績を上げておく)ことが大切だ。授業をきちんと受けて、宿題や課題を真面目にやる習慣をなんとか身につけておきたい。
女子は文系教科が得意と言われるけれど、社会、特に公民が得意な女子はあまりいない。数学が苦手な女子も多い。高校受験で合否を左右するのはいつでも数学である。県立高校入試では、英検3級や準2級で5点の加点があったけれども(来年度から廃止)、加点の5点よりも、数学の1問の方が、合否に影響がある。(余談だけれども、今年の入試は数学が難しかったので、数学で差がつかず、数学が苦手な生徒に有利な入試だった。)(次回につづく)
校長室の扉をたたく!(第2回)
男子と女子、同じような実力で、同じ高校を目指していても、合格に向けて立てる戦略は、全く違う。
男子は、火がつくまでは時間がかかるがいったん火がつけば、自分で燃える。だから火がつけば、あとはあまり手間はかからない。一方、女子は火はすぐにつくけれど、ろうそくのような火なので、こまめに見てあげないとすぐに消えてしまう。だから、火を消さないようにこまめなアドバイス(励まし)が欠かせない。
今回も男の子にはさしあたって必要なことをアドバイスして、あとは会った時に、「がんばってるか。困ったことがあったら来いよ。」とか、「風邪をひくなよ。」とか言うくらいで、何もしてはいない。
女子は、そうはいかない。女子には「こまめにおいで。」と言って二日おきぐらいの間隔で必ず会う。
会ったら、質問に答えながら、うまくできた部分をほめて、できなかったところは話題にもせず、「ここができているから、大丈夫。」とか、「あせるな。時間はあるからゆっくりやろう。」というような言葉をかける。
女子は、気持ちが落ち込みやすい。だから落ち込まないように、気持ちが安定するように、必ず声をかける。
男子はいかに火をつけるか、女子は精神面をいかに安定させるか、に重点をおくことになる。
(次回につづく)
生徒の皆さんへ
学校に登校しなくなって、2週間以上過ぎました。学校のない生活はどうですか? 最初は、いいと思っていたけれど、学校がないとヒマだと思っている人も多いと思います。当たり前が当たり前でなくなると、学校があるありがたさもわかってもらえるのではないでしょうか。25日、26日は登校日なので、そろそろ体を慣らしておいてください。
さて、勉強はしていますか? 特に2年生は、いよいよ3年生で受験の年です。受験は、早く準備を始めた人が圧倒的に有利です。早い人は小学校のときから、または中学校に入学したときから、高校進学のための勉強を始めています。3年生になった瞬間、ピストルが鳴って、「よ~い、どん」と、受験レースが始まるわけではありません。気づいた人から走り出しています。
皆さんは、入りたい高校は決まっていますか? 今の状態で大丈夫ですか?
学校が休みなので、自由になる時間はたくさんあります。その時間をどのように使うか、考えてみましょう。今が一番、勉強に打ち込めるときで、一番成果があがるときです。
校長 湯口 和弘