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カテゴリ:教員コラム

今日の大東中学校!

今日はとても暖かい日です。外のそうじをするにはとてもいい日でした。学校がきれいだと生徒も落ち着きます。

さて、三者懇談会が終了し、実力テストまであと3週間となりました。年が明ければ、推薦や特色選抜、スポーツ文化選抜の試験を皮切りに入試が始まります。毎日ブログを書きながら、この時期、どうやったら一番成績を上げることができるだろうか?と考え、3年生へのアドバイスを考えていました・・・

で、思いついたのは「一日3つ以上質問をする」または「友達の質問に一日3つ以上答える」でした。成績を上げるには質問をするのがいいということは、何度も話をしています。もうひとつの「友達の質問に3つ以上答える」というのを勧めるのは次の理由からです。人に説明するには自分がわかっていないといけません。説明するうちに自分の考えがまとまり、知識が定着します。また、最近の入試では記述問題が増えています。記述問題の対策こそ、人に教えるということです。質問1つ1点分の値打ちがあります。3つで3点。今日を含めて、テストまでに学校に来る日は15日。最低45点アップのチャンスが皆さんにはあります。どうです。やってみませんか?

コロナウイルス感染症が終息した後

全国一斉に学校が臨時休校になってから、7ヶ月が過ぎた。コロナウイルス感染症に対する知識は増え、以前ほどは怖い病気だとは思わなくなった。しかし、ひとたび感染者が報告されれば、当初の2週間からはずいぶん短縮されたものの、最低4日間は生徒を学校に呼ぶことはできない。未だ手探り状態でおそるおそる行事を行い、地域へ学習に出かけることもままならない。それはあたかも濃い霧の中を走る車の運転手に似ていて、目を凝らしてライトの照らす先を見つめ、ビクビクしながら運転する姿と重なる。しかし、コロナウイルス感染症が終息して、目の前を覆う濃い霧が晴れたなら、あたりの風景は一変しているにちがいない。

ユニクロの柳井正さんは「今後10年で起こる変化が1年で起こる」と話していた。このコロナ禍で、なかなか変われない学校も変わらざるを得ない。中学校では、働き方改革が最重要課題だ。本校もやれることからやってみた結果、毎日夜遅くまでついていた職員室の明かりは午後8時には消えるようになった。土日に学校で仕事をする教員は目に見えて少なくなった。働き方改革を左右するのは部活動だ。そこでも激論の末、地区の春季強化大会は令和4年度から開催されない。そして令和5年度に向けて、部活動の中心は学校から地域へと移行していく。

月の残業時間を80時間以内に収めようとすれば、平日遅くまで残って仕事をし、土日は部活動というようにはならない。これが月の残業時間が45時間以内となれば、5時過ぎに学校に電話をすると「本日の業務時間は終了しました」という声が流れてくるようになる。これはもう、どこでも当たり前のことだ。思えば、30代の前半は午後6時半に部活を終えたあと、出前をとってヨーロッパ軒のカツ丼を食べ、12時頃まで仕事をして家に帰り、翌朝7時には学校にいた。土日は午前6時に駅集合。練習試合をして午後6時に駅解散だった。あれから約25年。遅ればせながら学校もやっとまともになってきた。SDGs(持続可能な開発目標)は国連が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標だけれども、持続可能な働き方は学校にこそ求められるものだ。

 

いよいよ、花が開く!

初めてやってきたのは夏休みに入る頃だった。

「先生、英語教えてください」

すぐにこれまでのテストの結果を調べて、英語ができるようになるまでの手順を考えた。

「じゃ、まずこの単語を覚えろ」と言って本屋で買った単語のカードを渡した。

カードは約1000枚。100枚ずつ、リングに通して

「これ、覚えたらおいで」

何日かして、「覚えました」

「じゃあ、テスト」「よし、合格」「次の100枚」という風にやっていたら、8月でほとんど終わった。

だいたい覚えたので、「次は英訳やってみるか」

最初はもちろん、覚えた単語と英文が結びつかない。だから、英語の文の仕組みを教える。

「英語はまず主語(誰が)、そして動詞(どうした)、そして何を。あとは、どのように、どこで、いつ」

「主語は丸で囲って、動詞には波線。in や on、at の所に / を入れるんだ。そうやって、細かくしていけば、わかりやすくなる」

そんな風に一文一文訳しながら、1ヶ月が過ぎた。いつのまにか第47問まで進んだ。

そして今日。

「おっ、いいぞ。うまく訳している」

「ちょっと見えてきました」

「じゃ、学力診断テストの過去問、見せてみろ」

「まだ、全部解いていません」

「いいから、見せてみろ」

「おおっ、できてるやないか。この調子や!」

もう2ヶ月以上、空き時間を見つけては、定期的に校長室にやってきている。単語をしっかり覚え、意味をつかむコツを学んだから、内容がわかる実感がもてるようになった。あとは、過去問に取り組めばいい。ここまでくると、雪だるまが坂道を転がって自ら大きくなるように、どんどんわかるようになる。教える方も成長が実感できるから、なおさら気合いが入る。

2ヶ月前に蒔いた種がいよいよ花開く! 

どんな色の花を咲かせるのか、楽しみはつきない。やっぱり、教員はハンターではなく、ファーマーだ。

まずは、試してみる!

人は「見たり」「聞いたり」「試したり」、この3つが大事なのだが、多くの人は「見たり」「聞いたり」ばかりで「試す」ことをほとんどしない。試す場合は失敗がつきもの、しかしそれを恐れていてはダメだ。みんな、怖くて試さない、それをやるんだ 

こう語ったのは、ホンダの創業者 本田宗一郎さんだ。試す時には失敗がつきものだけど、失敗する前から批判や非難がやってくるから、それが怖くて試すのをためらう。練習試合は本番の大会で勝つためにいろいろ試してみる機会だから、時にはうまくいかずにボロ負けすることもあるはずだ。でも、その練習試合でさえ「負けるな、パーフェクトゲームで勝て」と無言の圧力をかけてくる。結果にこだわって、人の成長を長い目では見てくれなくなった。でも、「勝てば自信がつくが、負けた時ほど学ぶことはない」ことを忘れている・・・ 

ある生徒との会話

「この前のテスト、数学がボロボロでした。時間がないと分かったら、急に頭が真っ白になってしまって」

「犠牲を最小限に抑える方法を考えるいい機会だな」

「どうするといいですか」

「例えば、5分たっても解けない問題はとばすとか、得意な問題に時間をかけて解いて、80点のうちの65点を確保し、あとは1点でも多く稼ぐ方法もある。やみくもに1番から順番に解くのはオススメしないな」

「なるほど」

「そもそも、君ができなかった問題。みんなが解けないなら、できなくても差はつかないよ。そう考えれば、あっさりあきらめて次に進んだ方がよかったかもしれない。昔あったな、誰も解けなかった問題」

「へえ〜。あったんですか、そんな問題」

こんな会話は、テストで失敗した時しかできない。本番じゃないんだから、失敗してもいい。自信は失うかもしれないけど、学ぶことは多い。だからそれを生かせばいい。いつも勝ち負けだけを気にしていたら、勝てずとも、一方的な防戦をなんとか堪え忍んで、引き分けに持ち込む方法など身につくはずがない。人は負けたときや失敗したとき、より多くのことを学ぶのだ。だから、試してみることが大切だ。

あと一本!(はじける瞬間)

剣道や柔道は競技人口が少ないので、1つのチームに経験者が3人以上そろうことは滅多にない。団体戦は5人でひとチーム。経験者2人が強くても、チームが必ず勝てるわけではない。2人が圧勝しても残りの初心者3人が負ければ、2対3で必ず負ける。勝つためには、3人のうちの少なくとも1人が、勝つか引き分けに持ち込まなければならない。今日の女子の団体戦も中学から始めた3人のうちの1人が、粘りに粘って引き分けたおかげで、決勝トーナメントに進出し、3位入賞を果たすことができた。そして、別の初心者もとてもいい剣道をしていた。前へ前へと足を運び、大きな声を出して面や籠手を狙って竹刀を振る。「なんとか一本取ってほしいなあ」と思いながら試合を観ていた。その時ふと、柔道部の顧問をしていたときのことを思い出した。
その学年は5人いて、先鋒の軽量級の生徒は、小学校の県チャンピオンだった。中堅の中量級の選手も小学生の時から柔道を始め、中3の春には県ベスト4の実力があった。もう一人は、経験者ではあったがそれほど強い選手ではなく、残りの二人は中学校に入ってから始めた初心者だった。一人は70kgほどの体重で身長も170cm近くあったが、寡黙な生徒で人と話をしている姿はもちろん、笑った姿も見たことがない。もう一人は体重は100kg近くあり、身長も180cmぐらいあったが、色白のおとなしい生徒で、柔道を選んだ理由がわからないような生徒だった。
柔道の練習相手は、自分より体が大きくて体重の重い選手がいい。だから、軽量級の県チャンピオンは中量級の寡黙な生徒を練習相手に選び、中量級の選手は重量級のおとなしい生徒を選ぶ。体格は大きくても、経験には勝てず、素人の二人はいつも投げられ、 押さえ込まれ、寝技をかけられていた。それでも二人は休むことなく練習を続けていたが、練習相手にされるのは嫌だっただろうし、何度も部を辞めたいと思ったに違いない。
そんな練習が毎日続き、3年夏の地区大会を迎えた。団体戦の準決勝。いつものように経験者二人が勝ち、初心者と少し経験者の二人が負け、2勝2敗で大将戦となった。こちらの大将は体は大きいがおとなしい初心者の彼。相手はその前の県大会で3位入賞。夏の県大会では優勝と全国大会出場を狙っていた。力の差は歴然で、試合開始から一方的に攻められた。途中、相手が技をかけそこない、二人ともひざまずきなから倒れた。相手は攻めてこないと思ったのか、首に隙ができた。すかさずコーチが「絞めろ!」と声をかける。彼は相手の柔道着の襟をつかみ、絞めにかかる。「回れ、回れ」とみんなが声をかける(回るとうまく首が絞まる)。顔を真っ赤にして必死になって回ろうとしていたら、あっさり相手が彼の肩をたたき、ギブアップした。「やったな」「決勝進出や」既に勝った二人が声をかける。おとなしい彼は何も言わず、ただにっこり笑う。2年間の努力が見事にはじけた瞬間だった。もう一人の寡黙な初心者も個人戦で3位入賞、県大会に出場した。
「努力は人を裏切らない」・・・。その瞬間を見て、思わず涙が出そうになった。
そして今日。一生懸命足を動かし、技を繰り出し、何度も何度も一本を取りに行ったが、団体戦では出なかった。でも近いうちに必ず一本取り、この初心者女流剣士もブレイクするに違いない。必死で取りにいった一本が自信となり、固く閉じていた扉が一気に開いて、すばらしい景色が見えるはずだ。願わくば、その瞬間に立ち会いたいものだ。

がんばれ、大東中学校!