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カテゴリ:教員コラム

ネット時代・・・

田中角栄元総理大臣といっても、生徒のみなさんはもちろん、保護者の皆さんも余り知らないかもしれない。金権政治で日本中から批判されたが、人の心がわかる人だったことは間違いない。そうでなければ、小学校しか出ていない人が総理大臣になれるはずはない。

その田中角栄元総理大臣の言葉に、「人の悪口は5分もたてば、相手に届く。遅くても夕飯までには届く。でもほめる話は1年経っても届かない」というのがある。

ネット時代になって、人の批判は瞬時に、そしてどこでも届くようになった。アメリカの大統領の悪口だって、いつでも書けるし、ネットですぐに届く。

でも、人をほめる話はネット時代になっても一向に届かない。ほめようと思えば、いつでもどこでも届くはずだが、そんな話は滅多にお目にかからない。新しいことをやれば、批判はくるけれども、よくやったという言葉はこない。がんばっていますね、という言葉すらやってこない。

先日、「少年の主張」コンクール福井県大会の審査をする機会があった。県下の中学校から8名の生徒の作品が選ばれ、審査するものであった。

その中の一つに、「人は自分の見たいものしか見ない」という言葉があった。誰でもそうだと思うが、人は人の良いところを見つけるのが苦手である。人をほめるのはもっと苦手である。だから、「〇〇していただいてありがとうございます。でも、△△。・・はいかがなものでしょうか」という話になる。

人の批判からは、新しく前向きなものは生まれてこない。先が見通せない不安な時代に、批判ばかりがやってくるのなら、何かやろうという気持ちは起きてこない。コロナウイルス感染症に感染しているとわかると、あちこちから誹謗・中傷がやってくる。医療従事者や介護従事者、飲食店が真っ先に批判されるのでは、たまったものではない。ネット時代だからこそ、人ががんばっている話や人をほめる話を発信していかなければならない。それが今の日本に欠けていることだ。

コロナ時代・・・

今年の夏休み、屋根の瓦が割れているのを見つけ、直さないと、と思って、ネットで業者を探すと、教え子の両親が経営していた会社を見つけた。家の近くでもあり、料金も手頃だったので、電話するとすぐに来るという。家で待つこと20分、名刺をもらうと見覚えのある名前があり、代表取締役と書かれていた。

「いくつになった」

「40です」

「25年ぶりやな」

「覚えていてくれたんですか」

「もちろん」

お盆の前には、「弟が話したいと言っています」というメールがやってきた。こちらは30年以上会っていない。どこで働いているかは知っているけれど、会うことはないので、せっかくだからと思い、電話して替わってもらった。さんざん、からかわれたが、次に話す機会はないかもしれないと思うと、とてもうれしかった。

コロナ時代・・・。

一番心配しているのは、中学3年生の時、クラスみんなで何かをいっしょにやったという思い出がないことだ。修学旅行もなくなり、春夏の部活動の大会もない。学校祭も縮小となれば、20年後、30年後に同窓会をしても、共通の思い出がない。共通の思い出がなければ、みんなで集まろうという気持ちは生まれて来ない。だから、3年生のみんなは真剣になって、自分のクラスで自分たちの思い出づくりをしたほうがいい。こんな時だからこそ、みんなで何か一つのことに取り組む。気の合う仲間とだけやるのではなく、クラスみんなで何かをする。今はわからないかもしれないけれど、思い出がないというのはあとあとまで尾をひく。それは1,2年生も同じだ。

どの学年も授業の遅れはもう解消しているので、それなりのまとまった時間をあげることもできる。あとは、みんなの気持ちだけだ。クラスみんなで楽しむ。それがコロナ時代に打ち勝つ方法だ。

校長 湯口 和弘

今日の大東中学校!

放課後、3年生の生徒が英作文を持ってきました。毎回毎回、内容がよくなっているので大変楽しみです。ついでに受験テクニックも伝授して、目標の高校に合格してくれれば、と思います。話していると、とても意識が高いので、間違いなく合格すると思います。

いつも6時を過ぎたころから、学校中を回ります。感心するのは南校舎2階、3階のトイレです。清掃道具がきちんと整頓されています。使い終えたトイレットペーパーの芯も残っていませんし、床にトイレットペーパーの切れ端も落ちていません。たぶん、学校中で一番きれいな場所だと思います。毎日清掃してくれる生徒に大変感謝しています。ありがとうございます。次に感心するのは1年生の教室です。机とイスがきちんと並んでいて、秩序があります。トイレがきれいな学校は、いい学校です。生徒玄関のくつがそろっている学校も自慢できます。「神は細部に宿る」といいます。ほんの小さな違いが積み重なって、大きな差となってあらわれるのではないでしょうか!

いよいよ、梅雨入り!

おはようございます。学校が始まり、2週間が経ちました。5教科の授業は、どの学級も46時間程度ありました。昨年の3月にできなかった授業は40時間程度なので、やっとその分が終わりました。これからも特別時間は続き、なんとか夏休みまでに、例年と同じ進度まで進めたいと考えています。

さて、毎朝学校に来てやっていることは、生徒玄関に咲いている花の世話です。

世話といっても水をやり、咲き終わった花を摘み取るだけですが、20分ぐらいの時間がかかります。

植物は大変正直で、5月のゴールデンウィークに水をやり忘れた日が3日ほど続いたら、すぐに元気をなくし、枯れ始めました。これは、まずいとその日から毎日かかさず水をやり続けています。しかし、素人はどのくらい水をやっていいのか、わかりません。花壇の世話をしていただいている人に相談すると、「水はやりすぎると、植物が元々持っている水を吸収する力がつかない」と言われました。植物も過保護はダメだということです。

「咲き終わった花を早めに摘み取るといい」とも言われました。「花が咲き終わると、その花が使っていた養分は種になるのに使われる。だから種に養分がいかないように花を摘み取れば、その養分は他の花を咲かせるために使われ、次々に花を咲かせますよ」と言われて、実践してみると確かに、次から次へと花が咲き、きれいな状態が長持ちして、かれこれ1ヶ月以上経っています。やはり長年、栽培に携わっている人の知識や経験は違います。すぐに成果があらわれるのもすばらしいです。

では、今日も工夫して楽しく生活しましょう!生徒のみなさんは、体をやすめてください。

校長 湯口 和弘

オススメの本(第3回)

今回は学校司書の先生に、オススメの本を紹介していただきました。

「君の膵臓をたべたい」(住野よる・著/双葉社)

2016年の本屋大賞、第2位に選ばれた作品です。この本は、中高生から絶大な人気を得ています。 人と関わることに無関心な僕と、死の間近にいる天真爛漫な彼女。正反対の2人は、やがてお互いになくてはならない存在になっていきます。 恋愛を超えた純愛とでもいうんでしょうか、ありふれた言葉では表しきれない関係は、何か、「生きる」ということに対する憧れのように感じました。
そして表紙の桜並木は、なんと福井の足羽川をモデルに描かれたものです。(イラストレーターの方が、福井出身)出版社から「青春100%の絵にしてほしい」という依頼を受け、真っ先に思い浮かんだのが、あの桜並木だったそうです。
日常の中の、一つ一つの選択を大切にすること。そして、今日生きているということは、誰にも等しく与えられた奇跡なんだということを、思い出させてくれる作品です。
(ちなみに、住野よるさんの作品は、今年の県立高校の入試問題にも出題されています。)